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今週のkinologue【1/10-16】

うららかな冬晴れの週末は、深夜に津波の緊急速報メールが鳴り続けたおかげで何だか寝不足。しかし、また穏やかな海が見られて心からホッとした。

〈主婦〉の学校』の上映は、14日から小山・広島・唐津でも始まった。オミクロン株の感染拡大が全国に広がる中、映画館で映画を観ることを躊躇されませんようにと願うばかり。

今週は衝撃的なニュースが二つあった。一つ目は岩波ホールの閉館。20年以上も独立系映画業界にいるというのに、残念ながら仕事で関わることはなかった。しかし、観客としては大事な劇場であり、ミニシアター興行の原点と言える劇場が閉館するというのは、他と比較できないインパクトがあった。昨年改装をしたばかりでこんなことになるとは、夢にも思わなかった。
一昨年、ザジフィルムズさんのアニエス・ヴァルダ特集上映時に開催したミニシアターパークさんとHelp! The映画配給会社プロジェクトの豪華イベント

にて、「岩波ホールと私」という歴史がミニシアター映画好きな誰にでもあり、俳優さんたちもその例外ではなかったことを知った。そんな一面を垣間見られたのは、岩波ホールでしかなし得なかったし、本当に特別な存在なのだと実感した。「岩波ホールと私」はもちろん私にも色々あるが、それこそ、20年近く前に観たアニエス・ヴァルダの『落穂拾い』を同じ劇場で観ることが出来たのは至福だった。また20年近く経ったら、同じ体験ができるような気さえしていたというのに。
シニア層に支えられてきた劇場は、コロナ禍続く今も厳しい状況が続いている。下記の記事のようなことにならないことをただただ祈りたい。

二つ目はジャン=ジャック・べネックス監督の死。一昨年のオンラインのカンヌ国際映画祭で、ガブリエル・ヤレドのピアノを聴いたとき、『ベティ・ブルー』や『DIVA』のシーンが次々と浮かび、胸が熱くなった。ああ、映画にどっぷりハマっていた大切な青春の一部なんだなと気づかされた。亡くなった日にFBに投稿すると同じような反応をする人が多数。昨晩は追悼として『IP5』を観たが、あの頃と同じところでまた泣けた。きっとフランス人の次に日本人に愛された監督だっただろう。R.I.P.

海の帰りに、久しぶりにシネコヤへ。絶賛工事中。来月のリニューアル・オープンが待ち遠しい。『〈主婦〉の学校』も、しばしお待ちください!


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