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今週のkinologue【1/24-30】

なぜ毎年1月が終わるのを早く感じるのだろう。ここ数年は必ず何かの締め切りに追われているからか。今年はそんなことはないけれど、やはり早かった。今日が最終日だった「柚木沙弥郎life・LIFE展」に今週滑り込んだ。立川遠いよなぁと腰が重かったが、本当に行ってよかった。「民藝の100年」展からの流れもあるが、先週の日曜美術館で初めて知った建築家・白井晟一に今週は夢中だったので(松濤美術館の予約は全く取れず、仕方なく図録をお取り寄せ)芹沢銈介つながりでもある。旅好きで、家のインテリアからも柚木さんが北欧に行ってない訳ないだろうなと思っていたら、マリメッコの工場に行った話が「柚木沙弥郎のことば」に書かれていた。暮らしに根づいたテキスタイルのあり方はマリメッコとつながる。和風も洋風も古風も今風も感じさせるけれど、「風」をものともしない時空間を越えた、柚木さんの「赤」の美しさが沁みた。

今週からオンラインでスウェーデンのヨーテボリ国際映画祭が始まり、明日からフィンランドのドキュメンタリー映画祭が始まる。その前にNetflixのオスカー関連作は全部観ておこうと思っていたけど、結局見切れなかった。お気に入りの女優マギー・ギレンホールの監督デビュー作『ロスト・ドーター』がNetflixにあることもつい先日知って、早く観なくては。Netflix作品ばかりがオスカーに絡んでいるのはどうなのかという議論はもちろんあるが、授賞式の前に観られる楽しみが増えたのは間違いなく、それはそれで嬉しい。受賞作だけでも授賞式後に劇場で観られる機会が欲しい。そんな特集上映も組まれればよいのだけど、洋画に冷やかなご時世に無理な話か。。。
今、日本のミニシアターは濱口竜介まつり。濱口作品の中では短尺で扱いやすい『偶然と想像』と『ドライブ・マイ・カー』のリピート上映は、賞レースの盛り上がりに並走して続くのだろう。『〈主婦〉の学校』が2回観られる長尺の映画ですごいことだ。そんな『ドライブ・マイ・カー』を上映していた劇場で観たのが『さがす』。『岬の兄弟』が強烈だった片山慎三監督作で、最近ドラマで注目していたキャストが揃っていたので、邦画に興味が薄い私にしては珍しく公開直後に観に行った。客層は幅広く、結構混んでいた。前作からのプロットの上手さが際立ち、引き込まれていく。ちょうどよい塩梅のエンタメ性も盛り込まれている。荒削りだった作家性が磨かれて商業的に成功する道筋をたどる、まさにNEXT濱口竜介。タイプが違いすぎるか。笑。が、最後の卓球のシーン、要るのかなぁ。確かに全て回収されたのだけど、その分、気持ち悪さが残った。そんなこと言うのは私だけ?少なくとも監督の次回作への興味は失ってしまった。あああ、自分に残念。


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