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今週のkinologue【8/23-29】

パラリンピック開会式に少しは溜飲が下がった今週は、ひたすら一進一退。いけるかな、と思ったらダメだったり、諦めていたら急に動いたり。取材の打ち合わせをした編集者さんから「kinologueさんの邦題はいつもいいですよね!」と嬉しいおコトバを頂いたり、過去作品の邦題を「マジないわ」とツイートされているのを発見したり、、、何だか気分も乱高下した。

『〈主婦〉の学校』の尺は78分。これまでも80分・75分・85分・76分・81分と、90分以上の映画がないのもkinologueの特徴。スキマしか狙えないフリーランス配給者として「わきまえている」と思われているかもしれない。kinologueの映画だと2本は観られる179分の長尺『ドライブ・マイ・カー』を観た。海外に行くと、こちらは何も言ってないのに村上春樹のファンだという話をよくされる。日本人ならみんな好きだと思っているだろう。こっちは走ることのエッセイ以外は辟易しているというのに。濱口監督との相性の良さからも、この作品は全世界の春樹ファンをまた喜ばせるのだろうなぁ。濱口作品はいつも長い。「長いけど時間を感じさせない」というのが濱口作品の常套句。ご本人もそろそろそう言われることにウンザリしているのではないだろうか。濱口作品は生理的に合わないという人もいる。思うに人間関係の湿度の高さのせいか?『寝ても覚めても』もそうだったが、あの感じは嫌いじゃない。そして、家福が逗留する瀬戸内海に面した宿、みさきが昔働いていたというゴミ処理場、野外劇場に来たような稽古シーン・・・いくつも美しさを感じた。今回は『大豆田とわ子と三人の元夫』で素晴らしかった岡田将生を一番のお楽しみとしていたが、タクシーの中での長回しは圧巻。会話劇好きとしては、『ワーニャ伯父さん』に会話が占拠されていたことに物足りなさがあったが、あのシーンでそれも吹き飛んだ。長尺でも無駄がなく濃密、それが濱口作品なのだろう。飽きさせないとはいえ、お尻が痛くなるのも事実だけどね。

接種後は大人しく、ということで昨日の続きのダーニング(繕い)で秋支度。これから一雨ずつ、秋に近づいていく。アイスランドはとっくに秋か。

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