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今週のkinologue【5/13-19】

バラが美しい季節になった。この素敵なバラは、地元のおしゃれ花屋の入口。昔はバラが華やかすぎて好きではなかったのに、これも年を重ねると魅力に気づくものなのかも。いつもこの時期になると、モッコウバラの生垣を作りたいと思うのだけど、すぐに忘れてしまう、、、いつの日か。

週明けに「婦人之友」CINEMA連載の締切があり、4回目も無事入稿。今回も2本チョイスしたが、1本が特集上映という珍しいケースに。2年前から何となく縁を感じていたので、特集上映きっかけで書けて嬉しかった。掲載する映画の画像は編集部と相談して決めるのだが、メイン写真がイケてないときは困る。宣伝担当がメイン写真を決めるのに苦慮するのはよくわかっているものの、今回はサブ4の写真を選んでしまった。メディアに渡すのは1-3枚が多いので、メイン+サブ2まで。サブ4はなかなかレア? 物語っている良い写真だと思うけどなぁ。ホント場面写真って難しいとつくづく。

今月から近所のコワーキングスペースを借りることにした。借りるのは2回目で、最初はフリーランスになったと同時だったので、11年弱前。そのときはまだ珍しい存在だった。運営する人たちが熱心にネットワーキングをしてくれたので、一緒にランチをしたり、イベントに参加して貰ったり、仕事を頼むこともあった。配給1本目の映画の予告編を作ってくれた人もいたし、今もその時に知り合った人に映画のHPを作って貰っている。時が過ぎ、コロナ禍を経てリモートでコワーキングスペースを借りる人も増えた今、そこはただ個人が仕事をする場所、になっていた。今回借りたところは、2箇所利用可能で座る場も特に決まっていないし、相当通わないと顔見知りになることはない気がする。ここ10年くらいのコワーキングスペースの変容というのも面白い研究テーマになりそう。まだ数回しか利用していないが、そこでは仕事をせず、本を読む場としている。積ん読している研究に関連する本を片っ端から読み切るために通っているのだ。仕事は家でも出来るけれど、本はなかなか集中して読めない。読むだけでなく、書く方にもシフトしていかなければならないけど、基本的には研究のため。大学が近い人たちが羨ましい。

6/9で終わってしまう「北欧の神秘」を見に行くつもりだった日、突然連絡があった。『〈主婦〉の学校』の監督ステファニアとプロデューサーのヘルギ夫妻から「日本に来ているから会えないかしら?」というものだった。
『〈主婦〉の学校』は買付〜公開までずっとコロナ禍だったので、kinologue配給作品の中で唯一、監督やプロデューサーに会っていない作品だった。公開時に、二人はとても日本に来たがっていた。ちょうど東京でオリンピックをやっていた時期と被っていたこともあって、「なんで行けないの?」と詰め寄られたが、外務省HPの英語訳を送って諦めて貰うしかなく、本当に残念だった。結局、監督には実際の「主婦の学校」で校長先生と一緒にオンライン取材に応じて貰った。コロナ禍中は海外に送った荷が届かないことも多くて(実際『365日のシンプルライフ』の監督ペトリに送った出産祝いも届いてなかった!)、日本版ポスターも送っておらず、心残りがずっとあった。なので、今回連絡を貰ったのはとても嬉しく、ドキドキの初対面だった。ステファニアは初来日、ミュージシャンであるヘルギは公演でよく来ているようで、かなり日本通。今回は日本に1ヶ月滞在して満喫していた。「東京に来たら絶対に会いたいと思っていたのよー!」と言われ、3年経っても覚えていてくれたんだなぁとじーん。日本で上映したときにどんな反応があったか、「主婦の学校」で教えていることがアイスランドではどう受け止められていたか、今の「主婦の学校」は25歳の女性が校長先生になってSNSの発信が増えたことでまた人気が出ているとか、いろいろ楽しくお喋り。kinologueの配給スタイルも理解してくれて、賛同してくれた。やはり自分が惹かれる映画をつくる人たちとは通じ合えるものがあるんだなぁ。ポスターもチラシも書籍もやっと渡すことができ、とても喜んでくれた。コロナ禍で他の国では殆ど公開が出来なかったらしく、日本で配給してくれたのは有り難かったと感謝もされた。配給冥利に尽きるとはこのことか。4年前のちょうどカンヌ映画祭の頃、データベースから丹念に探していたときにこの映画に出会った興奮は、4年後にそれを伝えられたことと合わせて、これから先もきっと忘れないだろう。話の流れで、3年前に連れて行くはずだった、上映劇場のシアター・イメージフォーラムに行ってみよう!ということに。支配人の山下さんに連絡してみると、ちょうどいらしたので、タイミングよくご紹介もできた。同じくアイスランド映画の『YARN〜』のことはもちろん知っていたので、ニッティングシネマの話をして、ロビーの椅子にその名残があることも。他の映画館のフライヤーがたくさん置いてある日本独特のシステムに「すばらしい!」と感動していた。心の底からすっきりしたというか、肩の荷が下りたというか、そんな気持ちになったと同時に、まだまだ作品が愛されるよう頑張らねば!と改めて。「また絶対日本に戻ってくる!」と息巻いていたので、また日本で、またはレイキャビクで、再会を誓った。忘れず会いに来てくれて、本当にありがとう!

トムとジェリーのTシャツがかわいいヘルギはドラマー。ステファニアの本職は編集。



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