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30 day book challenge 第15日

泣ける本ふたたび。でも今回は「読めば悲しさで泣いてしまう本」です。

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これはもう迷いもありませんでした。この1冊。

主人公は知的障がいを持つチャーリー。本の冒頭はそのチャーリーの独白で始まります。ひらがなばっかりです。障がいを持つ人々のサポートをしていた友人が「この翻訳者の人すごい。知的障がいのある人ってホントにこんな風に話すのよ」と言うのを聞いて読んでみようかなと思ったのでした。

そんなチャーリーに転機が訪れます。新しい実験により、ハツカネズミのアルジャーノンが高度な知能を持つに至ったのです。危険な手術ですがチャーリーはその人間としての実験台に。そして驚くべき知的能力の変容が始まります。

知能が高くなることでわかってしまうこと。バカにされていたことを理解してしまう悲しさ、自分が簡単にできることが他人にはできないと知って見下す傲慢さ、どれも読み手の胸を刺しますが、なんといってもアルジャーノンが変わっていくことの発見とその結末を予測できてしまうチャーリーと、それでも高くなった知能を駆使して経過を記録し続ける彼が切ないです。

この物語は最後の一文に集約されると言っても過言ではありません。だからといって最後を始めに読んでしまっても読後感が台無しなので、ぜひひらがなだらけの、初めの部分からお読みください。わたしは何度読んでも最後の一文で泣きます。

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