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【日記】ダウンのち回復またダウン

風呂屋に行った翌日、胃がダウンした。

風呂屋の休憩室で森の助さん(オット)がジョッキを片手に焼き鳥をつまんでいた。それをお相伴したのだが、最初のひと口で胃が

「あんまりようありまへんで」

と言った。一所懸命はいってきた食物を消化しようとするが、キャパオーバーで全然まわらずどんどんあちこちにヒビが入っていく感じ。むむむ、まずいかもしれない。鶏はおいしいのだが胃の方が明らかに働いていない。なのに一串まるまるいただいてしまった。あかんやん。

食い意地が張っているのでさらに夕食は皆と同じだけ食べていたら、夜中になって寝入ってから胃痛で目が覚めた。午前1時。

チクチク痛いよ~~ん(泣)

多分、遠距離介護で往復したことプラス夏バテなんだと思う。悪いものを食べた記憶は無い。脂っこいものや冷たいものや消化の悪いものはたくさん食べたけどな。

眠れなくなってしまったので背中に湿布を貼り、ゴロゴロして朝の4時頃やっと眠りについた。でも6時半には起きてしまった。だるい。胃が痛い。気持ち悪い。

幸い祝日で休みなので寝倒すことにする。こういう時、子どもがもう育ってしまって大人なのはありがたい。おかゆとヨーグルトを食べ、薬を飲み、風呂工事の職人さんをお迎えした後は森の助さんに任せてひたすら寝た。午前も昼寝したが午後も昼寝した。年を取ってあまり眠れなくなっているのでこんなことは本当に珍しい。

半日以上寝倒していたら何ということか夕方になって復活したようだ。ブラボー! こういうのって普通の人なら当たり前なのかもしれないけど、胃弱ですぐ倒れる森野にしたらものすごいことなのである。すばらしい! 近年まれにみる回復力だ。いぇ〜い!!

少し元気になったので、昨日に引き続きふたたび森之助さんとお風呂屋に赴いた。今日もまだ工事中なので自宅風呂は使えない。同じ時間に行ったのが悪かったのかなんと昨日のおしゃべりオバサンと再び遭遇してしまったが、なるべくその辺りは避け、午後7時の薄明るい空のもと露天風呂に浸かり、そそくさと出た。そしてこの日はビールを楽しむ森の助さんをニコニコ眺めるだけで焼き鳥を頬張るのはやめておいた。

そう言えば学生時代にも銭湯に通っていたことがある。風呂なし共同トイレのアパートに住んでいた。その時、同じアパートの友達が、

「銭湯に行くとさ、いろんな年代の人がいるじゃない。ああ、最初はこうで、そうなって、ああなるんだなぁって思うの」

と、しみじみ呟いたのを思い出す。昭和の半ばでまだお風呂のないアパートも多かった。銭湯に行くと赤ちゃんを抱いたお母さんも、幼児や小学生も、私たちのような若い女子も、中年のおばさんもおばあさんもいた。みんな裸で、ハムみたいにピンク色になって盛大に体を洗いお湯に浸かっていた。人間の一生の図鑑みたいだった。今はあのとき見たおばあさんたちのところまで人生を漕いできたのだろうか。

幸い夜は朝まで眠れ(年を取るとこの「朝まで眠れる」がすごいことなのよ)、次の日は胃腸薬を飲まなくても大丈夫かな、というところまで回復した。


……はずだったが、うっかり昼にパスタを半人前くらい食べたら、横になったわけでもないのに買い物の途中から胃液が上がってきて胸焼けがひどい。まだ回復なんてしてなかったんだ。そして同時に息がどうにも苦しくなってきた。

息苦しさはちょくちょく現れる。胃腸の不調と連動することが多い。これも年をとってからだ。循環器の医者からは薬も出ているが、本当に血管が詰まっているのであれば効くはずの薬は効かず、精神安定剤みたいなやつが効く。こちらも同じ循環器科で処方されている。飲めば多少楽になるので有難くいただく。まったく不自由な身体だ。どうしてこんなにしょっちゅう悪くなるだろうと怒りにも似た感情が胃液と共に迫り上がってくる。

いかんいかん、リラックスよリラックス。怒っても回復はしないぞよ。

鼻から吸って、少しだけ息を止めて、口からゆっくり吐くという深い呼吸を繰り返す。しばらく伏せっていたら、胃液は上がるけど息苦しさは消えていった。このまま胃の方もなんとかおさまってほしいと願う盆の入りである。お盆が明けたらすぐに胃腸科だ。

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