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美容費を渡す話

 夫婦円満の秘訣「毎月、妻に美容費を渡す」を見た時、直感的に「これは絶対良い」と感じた。何かSNSで見た。

 妻が美に対して意識がある。

 これは誰も損しない。

 それを実現するために僕が出来る簡単な実践。すなわち給料日に銀行へ行って、お金を封筒に入れて「美容費」としたため、それを妻に渡す。毎月続ける。封筒を渡すたびに「フィー!お金大好き」とのことで、非常に結構なことだ、と思う。


 ここ数年、うちの洗面所にある化粧水や乳液は、シゲタという渋い名前のブランドのものだ。知らずに初めて使った時、値段も知らないまま「へぇ、効くねこれ。いくらか知らんけど。」と、彼女に向かってのんきに感想を述べた。きちんと効くものにお金を使ってもらっていて嬉しかった。値段を教えてもらった。僕は「そりゃ効かなきゃこまるわ…。」とだけ言った。
 一人暮らしの時は、効いたかどうかわからんような安い化粧水(プチプラ?というらしい)しか使ったことがなかったが、効いていなかったのだ、という事がわかった。

 美容にかける「情熱」は、時がたつにつれ薄れ「努力」となり、やがて「義務」となる。それはおそらく、効果が出なかったときに辿るフローなのだろう。効果が出れば楽しくて情熱も長続きしようが、そのための資金もまた必要だ。たっかい基礎化粧品を買った、と妻が言うたびに妙な嬉しさを感じるようになった。僕は彼女の「美の探検」の出資者として、冒険譚レポートを日々楽しみにしている。

 どこで読んだかも忘れた、先人の金の知恵がこうして役に立っているので、僕もまたシェアをしておく。

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