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Webディレクター1年目を振り返って

はじめに

1年前の2021年4月、私はWebディレクターになりました。

2019年10月~第2子妊娠中にWebデザイナーのスクールに通い、卒業後の2020年4月に出産。それから約1年、新規事業立ち上げに携わったり、いくつか案件をさせてもらう中で、デザイナーではなくディレクターとして仕事を始めました。
(デザイナーになるのを諦めてディレクターを目指した経緯は改めてnoteに書きますが…)

現在はGEKKO GUILDというギルド型組織で育成枠としてメンターのもとディレクション修行をしており、受託制作の進行管理を主な仕事としています。

節目を機に、この一年を振り返ってみます。

最初は苦労、失敗の連続で正直しんどかった

2021年7月からギルドに参画し、そこで初めてメンターさんからきちんとディレクションを教わることになります。
OJTで実際の案件に複数携わりましたが、まぁとにかく最初は失敗ばかり。

1. 見通しが不十分なゆえの、後戻り

制作過程の中で、知識不足や経験不足により見通しが不十分で、行ったり来たりを多く生じさせてしまっていました。
例えばWordPress構築の知識不足が原因で、ワイヤーフレーム作成時点でどのように実装するかまで考慮できておらず、デザインや実装段階になって悩む。クライアントさんが更新するところなのかそうでないのか、要素が増える可能性があるのか無いのか、運用まで視野に入れられてなかったり、予算に対してカスタマイズの工数が過剰になっていたり。

『仕様』の認識と解像度が甘かったのだと思います。

「ここできちっと確定しておかなければ、あとあとどう響いてくるか」

クライアントさんに適切なタイミングで「これより先は実装に入ってしまうのでここは変更不可ですよ」と言質を取ったり、デザイン段階でもコーダーさんに入ってもらって仕様の相談をするなど、後戻りしない工夫ができておらずに、制作チームのメンバーに多大な迷惑をかけてしまいました。(本当に申し訳ない…)

特に「お金」と「工数」の見積もりに関してはまだまだ苦手で、今後の課題です。


2. ディレクターとしてのふるまいやコミュニケーション

自分に自信が無かったがゆえに、コミュニケーションのしかたや振る舞いが不適切だったこともあります。「ディレクター向いてないのかな…」と思ったことは数知れず。迷惑をかけていることも自覚していたため、チームメンバーに指示したりコミュニケーションを取ったりするのが怖くなるときもありました。

・クライアントさんからの疑問質問に対し、本来こちらが提案すべきところを一緒に「どうしましょう…?」と考え込んでしまう
クライアントさんはわからないがゆえにこちらに尋ねているにもかかわらず、私も自分の答えに自信が持てず提案ができない。おどおどしてしまって、ご不安にさせてしまったことと思います。

・テキストコミュニケーションの難しさ
なぜ先輩ディレクターさん方が口を揃えて「文章力」「日本語力」とおっしゃるのか、実務で経験してやっと気が付きました。
特にリモートではテキストコミュニケーションが主な連絡になりますが、冷たい印象を与えがちな上に、ちょっとしたニュアンスが伝わらない。しかも文章構造がしっかりできていないと、何が言いたいのか相手にはよくわからなくなります。

【私の失敗例】
・「伝えたつもり」できちんと伝わっていなかった仕様。結局仕様が異なりやり直す羽目に…

・期限を何月何日「何時」で切らなかったために、「まだ来ないのか?」ともやもやするストレス(自分が悪い)

・指示が1回で伝わらず、確認のために増える1ターンのチャット

・「修正」「変更」「追加」などの言葉選び。自分は全然気にならないタイプがゆえに、不快に思う人もいることに気が付かなかった。

ディレクター育成講座もされているベテランWebディレクター名村さんのセミナー:「誰がどう見てもそうとしか受け取れない文書術」は、実際の現場でやりがちなテキストコミュニケーションについて、ツールの使い方も交えながら解説してくださっています。
こちらは私も受講して、まだまだ雑ではあるもののチャットやメールを送る前に「これを読んで相手が行動を起こせる内容であるか」の観点から見直せるようになりました。
公開版はこちら


3. 判断力を磨く。とにかくPDCAを回す

現場での経験がない中でディレクターになり、そこで私に圧倒的に足りなかったのは『判断力』でした。
通常ならばある程度作業者としての制作経験を積んでからディレクターになるパターンが多いですが、私はスクールで学んだ程度、ほぼ未経験からのディレクターです。

デザイナーさんやコーダーさんから「ここどうしますか?」と判断を委ねられたとき、きっぱりと「こういう理由から、こうします!」が言えなかったのです。
最初はもうひどいもので、顔色伺いもいいところ。自信なさげに「ここはこうしようと思うんですけど…(だんだん小さくなる声)」と言うディレクターはさぞかし頼りなかったに違いありません。

そんな事態を打開すべく、メンターさんにはかなり壁打ちをしていただきました。
なんでこのボタンをページのこの位置に置いたの?
ここのコンテンツの役割は?その役割を考えるとどのようなUIがいいと思う?
どうしてそのタスクが他より優先だと思ったの?
予定より◯日遅れているのはなぜ?どうやって挽回する?
など、WHY?の壁打ちを繰り返すことで、根拠を自分の意見として述べられるようになり、判断基準を持つことにつながったと思います。
また、判断するにあたって引き出しの少なさにも気づいたため、意識してサイトを見る癖も付きました。

コミュニケーションについても、あの局面ではどう言えばよかったのか、これからどうリカバリーすればよいかなど、実際のチームでのやり取りを見て
いただいたうえでのアドバイスを頂き、大変勉強になりました。


いろんな失敗と反省を踏まえて、次どうするのかも具体的な行動に落とし込みました。
チェックリストを作ったり、ガントチャートをアップデートしてみたり、自分の会議進行をスマホで録音して聴いてみたり。やり方が悪ければまた失敗を繰り返してしまうかもしれないけれど、それも折り込み済みでまずはいろいろ試してみました。

とにかく失敗→反省→勉強・改善のPDCAを必死に回し続けた1年でした。

少しずつ、少しずつではありますが、半年ほど経つと徐々に慣れてきて知識も増え、メンターさんから「成長したね」とのお言葉をいただけたときは嬉しかったです。(最初が低レベルすぎたのもあるかも…苦笑)


2年目とこれからに向けて

今感じているやりがい、楽しさ

・業務の幅広さ
やっぱり飽き性の私にとっては幅広い業務であることがむしろ刺激的で、リソースとスケジュールの配置を組み合わせていくのもパズルのような面白さを感じています。

・企画段階から運用まで携われる
事業の目標とするところからWebサイトにはどういう役割を持たせるか、それをクライアントさんと一緒に考えるのが一番難しいところでもあり、ワクワクするところでもあります。
公開後の運用も、解析を進めていきデータとして可視化される面白み。昔、化学分析・研究を仕事にしていましたので、データを紐解くのは楽しいです。

・クライアントさんの業界を知ることで広がる視野
普通に人生を送っていたら全く縁がなかったであろう業界の方々とお話でき、その業界について知ることはまさにリアル版『13歳のハローワーク』のようで、業界が変われば作法も常識も見えている世界も違うものだなぁと、改めて狭い世界で生きてきたことを実感します。


ディレクターとしての価値を提供できているか

自分でディレクターをしておきながら逆のことを言いますが、私はディレクターっていなくてもいいと思っています。
デザイナーさんでもコーダーさんでも、営業さんでも、誰かがクライアントやメンバーとの間に入ってやり取りすればいい話で、実際にデザイナーさんやコーダーさんが兼務している会社も多くあります。

じゃあそれでもこのポジションがある意味ってなんだっけ?というのは常に考えていて、だからこそ私が価値を提供できなければ存在意義がないのです。そもそも自分で手を動かして制作しないですし。

デザイナーさんがデザインに集中できるために、コーダーさんが最後、おした納期に追われて苦しい思いをしないために、クライアントさんの事業の成果につながる提案ができるように、それができなければいる意味が無いです。

2年目の目標は独り立ちして、一人でディレクションできるようになること。
私は今まだ無事に納期までに制作を終わらせることで精一杯で、制作側・クライアント側にご迷惑をかけてしまうこともあります。
早く1人前のプロになりたいと焦る気持ちもありますが、コツコツ愚直に、これからも続けていきます。

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