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雑記、日々の泡

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とめどなく流れる意識を俯瞰して確かめる行為だと信じて日常の記憶を記録します。とりあえず書いたら入れるハコにしてるだけ。
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記事一覧

暴力とユーモアを等しく描く、その可能性(映画『スリー・ビルボード』と小説家オコナーについての考察)

昨年公開された『スリー・ビルボード』。 僅かな台詞や表情の変化も見逃すまいというくらい没頭して観ていたにも関わらず、脳内では作品とは別の意識が立ち上がって、不思議と冷静に、映画のストーリーと心の声を並行して確かめながら鑑賞していた珍しい経験だったので、今でも印象深く記憶している作品です。 わたしは、映画のストーリーを追いながら、フラナリー・オコナーの小説を思い出していました。 そのとき巡らせていた考えをまとめてみようと思います。 映画のあらすじと感想 物語は、田舎

パン工場の陽気なブラジル人

パン工場=○○? 「お姉ちゃんってさ、昔パン工場でバイトしてなかった?わりと時給いいから働こうか迷ってるんだけど口コミが冗談かと思うレベルですごいから気になった!」 先日、妹からこんなメールをもらいました。 年の離れた20代の妹は、将来の目標のためにバイト2つ掛け持ちして貯金しながら自動車教習所にも通っていて、忙しく過ごしています。 「3ヶ月くらい夜勤したことあるよ。作業自体は簡単なんだけど、単調であるが故に勤務時間がすごく長く感じて、頭の中で悶々と『なんのために自分

真夜中のself work

ハンドメイドのきっかけ 長年ベリーショートヘアの自分は、アクセサリーとしてピアスを身につけるのが大好きです。 耳が剥き出しなので、ちょっと派手だったり大きなものだったりするインパクトあるピアスでもそこそこ違和感なく馴染んでくれます。 作家性のあるデザインの凝ったピアスやハンドメイドのものは特に惹かれるのですが、 お洒落で手の込んだピアスの値段はだいたい、わたしがフルで働いていた頃の1日分の賃金くらいに高く、購入に躊躇うことが多々あるため、 それならば似たものを自分で

子供と楽しむインテリア、 モビールの魅力

子供に媚びた部屋にはしたくない 子供が生まれるにあたって悩んだのは、部屋のインテリアをどこまで〈ベビー仕様〉に寄せるか、ということでした。 おおよそベビー用品には原色、もしくはパステルカラーが使われていて、それはまだはっきりと目が見えない赤ちゃんにとって「視認しやすい」という利点があるようです。 元々インテリアはそれなりにこだわりを持っていて、ナチュラルウッドの家具をベースに、リビングはモノトーン、寝室はベージュ系のリネン類で統一しています。 その中にベビー用品のカラ

マッドでサイコな精神科医の話

いま身体性表現障害です 新しい心療内科へ通い始め、そこでは身体性表現障害という診断をもらって、自立支援や障害者手帳の申請、あちゃさんの保育園申込み等を行っています。 この病気は端的に言うと、心の苦しさや辛さが身体の痛みとなって現れる、というものです。 でもその前に通院していた心療内科では、わたしは「統合失調症」だと診断されていました。そこで交わした先生との最後のやり取りを残しておこうと思います。 溢れる優しさで迎えてくれたK先生 現在の住まいに越してからあちゃさん妊

五輪観戦したいけどチケット価格で躊躇っている人はパラリンピックへ行こう!地上波では全試合を観られないのが現状。個々の障害をほかの能力で補い高めた迫力の競技を肌で感じる絶好の機会。観戦料は決勝もリーズナブル。2次抽選申込▶︎1/29まで https://mticket.tokyo2020.org/paralympic

君がこの世界の光をみつけた日、君のおとうさん一切合切の記録(及び、超絶怒涛の痛みについて)

親愛なるあちゃさん あちゃさん、先日は1歳のお誕生日おめでとうございました。 バタバタとたくさん歩きまわるし、ミルクより、お茶とごはんとばかうけのほうが好物だし、こっちが心配になるほど炭酸水がぶがぶ飲むし、お散歩も大好き、毎日元気いっぱいで、君の生命力を受け止めることに、わたしはいつもぜーぜー息切れしてしまいます。 もう赤ちゃんではないんだね。 誕生日のお祝いの日、君がこの世界に初めて出てきた日について、君のおとうさんと一緒に思い出してしみじみしました。 だけど2

\ 迎春 / お年賀2020版 ☻

多磨全生園と国立ハンセン病資料館の写真集

*関連記事→知りたいから、話を聞きに行った日のこと 全生園前交差点 全生園を囲むフェンス 全生園の門 門を入ってすぐのロータリー 駐輪場から見た事務本館 なんの塔だろうか 「洗濯場跡」 現在は使用されていない施設 一車線の道路 福祉サービス課 入所者・職員専用通路 カーブミラー パイプ① パイプ② 止まれの標識 入所者が植樹した木、たくさん植えられている 閑静な住宅街のような景色 公衆トイレ ショッピングセンター「本日は終了しました」

知りたいから、話を聞きに行った日のこと

*関連画像→多磨全生園とハンセン病資料館の写真集 多磨全生園を歩いて 7月26日、国立ハンセン病資料館で『ハンセン病と人権』の夏季セミナーを受講しました。 当日は久米川駅からバスで20分、資料館前で下車する予定が、間違えて療養所の全生園前で降りてしまったので、園内を歩いて奥の資料館へ向かいました。 園内は、野原や林の中に車が通れる舗装された道が敷かれていて、とても広くて静かでした。芝生で水撒きをしていたおじさんが遠くからおはようございます、と声を掛けてくれました。入居

躾と虐待の境界、家がつらい子供たちへ

躾のつもりで虐待する親たち 子供への虐待の報道があとを絶ちません。 虐待が深刻に問題視されるようになったのは最近なのか、それとも、わたしの元にあちゃさんが生まれたから、虐待のニュースに敏感になっただけなのか。それはわかりません。 逮捕された親の多くは「躾のつもりだった」と言っているようです。ただの言い逃れかもしれませんが。 今年、栗原心愛さんが父親に暴行を受け、死に至った事件がありました。 心愛さんは学校のアンケートにSOSを出していましたが、父親からのアンケート開

里帰りしない、親の手伝いも要らない出産

里帰り出産をしない、産褥期に親の手助けはいらない、そう思うに至った自分の考えについて書いてみます。 母が産後の手伝いを申し出てきた 妊娠期間もいよいよ臨月に入った頃、母から「出産したら、1週間くらい仕事休めるから手伝いに行きたい」と言われました。 母は現在、1人で近隣の他県で暮らしています。 彼女が住む家は、何年も袖を通していない大量の服、賞味期限がかなり過ぎたお菓子やドリンクなどの食料、いつ使うのか分からない雑貨や日用品が山のように天井まで高く積み上げられ、布団1枚す