「お嬢様」ミームの収束点としての壱百満天原サロメ

今最も熱いVTuberである壱百満天原サロメは「ゲーミングお嬢様」そのものとでも言うべきキャラクター性で人気を博しているが、考えてみるとこの「お嬢様」ミーム(お嬢様言葉でお嬢様らしからぬ発言をするといったネタ)は逆に言って「ゲーミングお嬢様」以前にはそれほど一般的でなかったようにも思える。

「お嬢様」ミームは元々は某所の「お嬢様部」を中心としたインターネット上でもローカル寄りなミームであった印象がある。遡ると2010年の「お嬢様部」の使用例もあり、これはあくまで「○○部」の派生という面が強そうではあるが、とにかくお嬢様言葉を模倣する一種の遊びにかなり長い歴史があるのは間違いない。

こうした遊びが「お嬢様部」として局地的に定着していったが、2019年末の「ゲーミングお嬢様」を期により一般化した。そんな流れを経て壱百満天原サロメを受け入れるだけの土壌が作られたのではないかと思う。

これがリスナーだけでなく壱百満天原サロメ自身にも言えそうな点がまた興味深いところだ。口調については初配信で「元々ですわ」「これで色々苦労しましたわ」と言っており、概要欄でも「全部生まれつきですわ」と言っているが、バイオ7の台詞を読む際の流暢過ぎる口調変換を見るとなかなか真実味のある部分である。ETS2でも口調について触れていたが、「漫画などでもですわ口調のキャラがいると、自分だけではないと思えて嬉しい」「コメント欄で一緒にですわ口調で書いてくれるのが嬉しい」といった発言をしており、「お嬢様」ミームの浸透が壱百満天原サロメの自己受容にも貢献したのかもしれない。

にじさんじの中でもキャラクター的な(この「キャラクター」の意味についてはこれなど参照してほしい)キャラクター性を持つ壱百満天原サロメが、今後にじさんじの生の人間寄りなライバー達とコラボしてくならばどのような掛け合いを生み出すのか、今後注視したいところだ。


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