にじ高の夏2024 決勝

英アカ戦、ここにはにじ高で見たかったもの全てがあった。
(決勝というか順位決定戦だが、題は配信タイトルに従っておく)

7位・5位決定戦

ふれ高♡対銀河立、観戦中も「日頃の行い」と言いつつ銀河立を煽りまくったり、例年のようにミートF理論などオカルトを話し合ったりする椎名監督。フレン監督が本戦初勝利を飾る一方、ルンルンを逃したチャイカ監督は「宇宙って愛でできてるんだ」などと何故かにじ高以上に愛を語った。

願ヶ丘対レインボール、キャッチャーBのナリから替えてでもかえみとバッテリーを実現する小野町監督。(先制されて打者一巡で戻したが)勝負よりキャラで行く采配に対して、叶監督も剣持完投(結果的に完封)という形で応えて見せた。初監督が多いのもあってか勝ちに行く雰囲気があった中、甘いプレイと捉えられなくもない部分と思ったが、個人的にここは叶監督が上手く拾った印象。あと風楽に「特殊1」打撃フォーム(椎名監督の2020年優勝賞品)が設定されているサプライズもあった。(これはファンとしてはFCの某情報もあって嬉しかった。)

3位決定戦

さて英アカ戦。相手はAリーグの一強とも目された鳥取の「名門」である。この日もKOTOKAはボール先行、やや不安な立ち上がりながらも打たせて取るピッチングで初回無失点。裏の攻撃ではまずヴァーミリオンが2塁打、コウの「確 変」を捉えた一打が犠牲となり3塁、シェリンも確変をレフト前に運び1点先制。リーグ戦とは違う繋がる打線を予感させた。

解説の社長が色紙に言及してから椎名監督が感謝の心を漲らせてる内に、KOTOKAのギアも上がったか3回までノーヒットで抑え、裏ではSFFを完璧に読んでレフト前ヒット。ヴァーミリオンも3球見せられたSFFをフルカウントから待ち構えてセンター前に飛ばし、1アウト12塁にバッターは3番、パワーヒッターの卯月コウ。ひなPとホームラン王を争う卯月コウはこの日も(監督はミートで良いと何度言っても)狙っていた。SFF攻めに一度は見送り、二度目は空振り、三度目は逃さない。強振でぶっ飛ばし3ランホームラン、にじ高の主人公はライトスタンドへ143m弾を叩き込んだ。シェリン、社とヒットを浴び、更なる失点は無かったものの3回裏にしてイブラヒムのスタミナはオレンジ圏に突入。ただ威圧感があるというのではない、打力のある選手に威圧感を身に付けさせられるOB本屋の恐ろしさがここで真価を現した。

5回表、実況の「完封」という言葉に監督が色気を出すと動揺したかのような被弾・四球で2ランナーを出すも、強打者ニュイに対面して気を取り直したか、不意を衝くシュートで見逃し三振に仕留める。裏の攻撃、ヴァーミリオンは四球を選び、卯月コウは狙いが外れフライ、シェリンはライト前ヒットで、1アウト12塁に5番モイラ。肩で息をするイブラヒムの甘いストレートを逃さずに右中間長打で1点追加した。尚もエクス監督は動かず、椎名監督は「狙っちゃうよ!?」と警告、またの四球で社出塁。1アウト満塁に「満塁男」でびでび・でびるが登場し、確変をセンター返しするもショート緋ハが捕って意地のダブルプレー。苦渋の続投を支えた。その後空星、綺沙良と継投しつつDP(ディフェンスポイント)を獲得する。

8回表、ローレンに長打を浴びて続く代打ヴィクトリア(外野手だが防御率0.00を記録)。高めのフォークをライト前に飛ばされるも、セカンド・
レンゾットは瞬時に走り出しジャンピングキャッチという超常的ファインプレイを魅せる。流れを見事に断ち切ったにじ高は三振・サードゴロでDPバフを切り抜けた。8回裏でスタミナの尽きたKOTOKAに代打を出し、最終回の表でレヴィ登板。英雄戦法(エクス監督は育成配信で「待て」を多用した)での四球2回もあり、Oriensの3/4が集う(2塁のみイッテツではなく北見)1アウト満塁、緋八に走者一掃の長打を浴びAPも持っていかれる。にじ高は削られたレヴィから四季凪へ交代し、英アカも珠乃井の初球○を活かして1ストライクまで振らせフィナーナへ交代というトリッキーな采配、これが奏功してか更に1点を返す。2アウト1塁、英アカは1点差まで詰め寄っていた。窮地の椎名監督は「マジ四季凪、おい!」など憤りつつも「ここやるしかねえんだよ四季凪!」「おい、BLを広めろ!」と声援(?)を送り、センターフライで3アウトと幕を閉じた。

決勝

この試合は舞元の弱点が悉く突かれた試合と言えるだろう。いやしかしそれ以上にござ(本間ひまわり)の仕上がりが尋常ではなかった。

舞元は2回にして連打を浴び2失点で闘志喪失、なお不破監督も驚きのノーアウトで12塁。舞元メタ(対エース○の対象者が今年は舞元しかいない)として起用された雪城もきっちり仕事をこなし、ピヨピヨ状態に追い込まれつつも何とか2回表を終えた。しかし舞元はリーグ戦と違い奪三振がほとんど無く、その後も失点が続く。

一方のござは際どいコースや巧みな緩急を極め、不破監督は「ナチュラルに重い」とまで言い出して社長懸命のフォロー、6回まで3被安打1失点という圧巻のピッチングだった。スタミナが尽きたところで「ねむねむにゃんこ」三枝の覚醒の一打を浴び、やよ(笹木)に代わるも抑え続け、不破監督の自壊する謎理論や最終2アウト2ストライクでの「タイム」にも動揺せず凌いで見せた。

試合終了後

英アカ戦はKOTOKAの好投により猫も杓子もフォークなのかと恐慌状態のコメントすら一時現れたが、育成の難しさというかその妙についてはもう少し理解されて良いかもしれない。

まぁそもそも今年の育成ではどれも高望みのような話だが、解説・主催陣が挙って語った2024の困難、それを総身に受けた上で野良投手から辿った本戦最適化と奇跡の甲子園。KOTOKAは今年のにじ高を象徴するようなまさに「負け組の星」として煌めき、最優秀防御率を飾った。

でびレンの二遊間や外野陣はリーグ戦から好守備で救い続けてきたが、本戦ではコウも更にホームランを加えてG-Tune看板賞だけでなくホームラン王を獲得、ヴァーミリオンとシェリンが猛打賞など打線も完全に機能。連打で削り、コウのロマン砲も火を噴くというにじ高で見たかったものが本当に全部見られた戦いだった。

最後に椎名監督のコメントで、これはもう本当に全部「分かる」というか、言動を追っているほどに頷ける言葉ばかりだった。(以下冷静に見返すとキモい! 注意)

「2年目ぐらいまで全然勝ててなくて、でも楽しかったんですけど」
育成配信の最後にも「最初はね…でも面白かったんだよな」と語っていた。椎名唯華は実に表裏の無い性格で(ファンが言うと完全に理想の投影で難だが、多くのライバーの意見も一致しているので許してほしい)、それに「何でも楽しめる」と公言するタイプでもある(これは出典を忘れてしまったがサシ雑談的なものだった気がする)。こういうときも心から「面白い」と言っているのが椎名唯華なのだ。その広いストライクゾーンにもかかわらず自分がやるときは外さないのがまた不思議でもある。

「でもリスナーさんが、なんかすごい、なんだろうな、次はどうか良いこと起こりますよう起こりますようにみたいな、いつも願ってくれてて」「良い企画だな、にじ甲」
昔の節目の配信でも「楽しいことやってるだけで、なんで見てくれるんだろうな」みたいなことを言っていて、椎名唯華はやや擦れているというかリスナーにあまり期待が無いような面を時々見せている。(それがメンタルの強さにも繋がるのだろうが)先の自分は楽しかったのと対比で、改めて自分の受ける声援を意識したのかもしれない。毎度リスナーへ感謝の弁を述べているものの、少しニュアンスの違いを漂わせていた。

「去年結構、もういいかなみたいな」「ちょっと辛い時もあったんですけど」
去年の強い思いが正負ともに改めて確認される言葉で、「辛い」はなかなか出ない言葉。椎名唯華がネガティブに言及するのはペルソナ事件などの時代程度だろうか。やはり身近なライバーの応援が特に厚かった去年と比べると、今年は周りが思うよりは気楽だったのだろう。

「にじ高、強かったです」
リーグ戦でも「うち強かったなって」「凄かった、打って守ってね」と言っており、インタビューで(威圧感には触れつつ)最終的にメンタルや勉強などを押し出していたのも考えると、弱小で耐えた記憶が強く今一つ自信を持ち切れなかったのかもしれない。

見たかったものの全てがあり、嬉しい言葉の全てがあった。今年も最高の夏に、惜しみ無い賛辞を贈ろう。


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