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愛しのサワドゥ

ここ数年、リモートワーク中心の私たち。

普段作らないものに挑戦した人たちが増えたと思うのだが、私も御多分に洩れずその一人。

久々にパンでも焼こうか、となる。

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サワドゥ
- 小麦粉、全粒粉、水、塩
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サンフランシスコに住んでいた時に、サワドゥと言うパンに出会って、作り方を学んだ。

日本ではまだあまり見かけないけれど、イーストなどを入れず小麦粉やライ麦粉を水を発酵させて作る、天然酵母のパン。

カンパーニュのような見た目。外側は硬く、食べると食感は水分を含んでいる感じでしっとり、サワーというだけあって少し酸っぱさのある味。初めて食べた時、私の知っているパンとは少し違う、でも癖になる味で、ワインにも合う、とても印象の良いパンだった。

初対面で印象が強く衝撃的な人、というよりは、人柄が良く、強い印象を残さないけれどでもちょっと癖がありそうで気になる、そんな人に近い。

サンフランシスコで友人から発酵のスターターをもらって作っていたのだけれど、日本に帰ってからは、他のことに気を取られているうちに作るのをやめてしまった。

その土地の空気感というか、場所を変えるだけで、同じような仕事をしていても、自分の行動が変わるから面白い。


サワドゥスターター

まずはスターターを作らなければならず、それには1週間かかる。水と小麦粉を瓶に混ぜ合わせて放置、24時間ごとに水と小麦粉を足して、放置を繰り返す。放置すると、発酵してぷくぷくと膨張するのを見るのがだんだん可愛くなってくる。皆が、サワドゥを「飼う」という理由。そう、生き物だよね。

1週間程して、ようやくサワドゥを作る準備完了。

小麦粉と塩、水、スターターを混ぜ合わせ、生地を折り畳んでは放置し発酵、折り畳んでは、、を繰り返す。最後には成形をし、ダッチオーブンで焼き上げる。

半日くらいかけて作るのだが、飼ってきたサワドゥの集大成というか、お披露目の場なので、気合が入り、母性のような感情が入流。工程自体は忙しないものではないのだが、そわそわする。

サワドゥ焼けました。

初めて焼いたサワドゥ、上出来。誇らしい。我が子の発表会はこんな感じか。

味をしめている私なので、友人が遊びに来る時にサワドゥを焼き出すでしょう。


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