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鎌倉の蕎麦割烹 「恵土」 にて

この日はパートナーの誕生日だった。

どんな誕生日がいいか、と聞くと普通に過ごせればいいと言われる。何と楽な人だろうと思いつつ、でも何かしないと私の方が納得できない。そこで近場に日帰りで出かけつつ、何か美味しいものでも食べにと考える。

こういう時、もっと自分の中に食べ歩きリストがあって、どんどんお店が思いつけばいいのに、と少し後悔する。数少ないリストの中で、かつて一人で飛び込んでみた葉山の蕎麦割烹のお店に決める。

八寸(鮎山椒煮、鰆の蕎麦寿司、ゆうがおの梅煮、なす味噌田楽)

一時期私は蕎麦にどハマりしていて、渡米する日、帰国する日は絶対蕎麦。日本にいても、毎週どこかで蕎麦を食べていたんじゃないかと思う。

このお店に行ったのは3, 4年前。海に行きたい、美味しい蕎麦も食べたいという我儘で、蕎麦割烹なるものを見つけたのだ。当時蕎麦割烹って初めて聞く名称で、想像できるような、想像できないような。少し緊張しつつも、当時の蕎麦熱狂が一人で行く勇気をくれて、行ってみた。

結果、私の特別なお店の一つになった。

天ぷら(鯛、万願寺とうがらし、たこ)

葉山にある、住宅街の中にポツンとある小さな古民家。気取りすぎない門がまえ。

揚げ蕎麦がき、蕎麦寿司など随所に蕎麦が入った、割烹のコース。でもしっかり日本料理のコースの構成も守りつつ、緊張しすぎないカジュアルさを持っていて素直に楽しめた。

もちろん、最後の蕎麦も美味しい。蕎麦つゆが、角がなくまろやかで、でも甘すぎず、出しも丁度良い効き加減。蕎麦は細麺、食べるとふわっとした食感がある。

きのこ蕎麦
手打ち蕎麦

3,4年ぶりに来ても、コロナで間取りが変えられていたのとノンアルコールになっていたが、変わらない、気取らない料理のままだった。

一つ一つ丁寧に作られているのが分かる。丁寧な味。

食感、香り、味、全て主張しすぎないが、しっかり旨みのある味。

古民家と、料理、全体の雰囲気に一体感があり、世界観がしっかり作られている。

パートナー大満足。それ以上に私が幸せになっていたと思う。

私の中の特別なお店に、今回は一人じゃなくパートナーと来れたこと。

かつてと変わらずお店がそこにいてくれたこと。


自家製ところてん
揚げ蕎麦がき(ふわふわ!)
八寸(鮎山椒煮、鰆の蕎麦寿司、ゆうがおの梅煮、なす味噌田楽)
きのこそば
いちじくの酒蒸し、ごまだれ
天ぷら(鯛、万願寺とうがらし、たこ)
そば
焼き蕎麦がき、栗、あんこのデザート


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