外岩のリスクと単なるアウトドアのリスク
こんばんは。今日もお疲れさまです。
インドアジムクライマーは、外岩のリスクを理解していない、と言われます。
しかし、そう言うと、「アウトドアは虫がいるよね」とか、言う人がいます。
それは、アウトドアクライミングのリスクではなく、アウトドアだったら、ランでもバイクでも同じですよね。
そうではなく、アウトドアクライミングとインドアクライミングの違いが問題です。単なるアウトドアのリスクは、普通にハイキングに行くことでクリアしていくことが可能です。一方、アウトドアクライミング、のリスクは、ある程度、経験値が必要なように思いますので、リストアップしておきます。
以下、参考にされてください。他に思いつく方があれば是非ご連絡ください。
1)インドアクライミングでは、ボルト間隔が一定で落下係数が0.3となるように設計されている。一方、アウトドアクライミングではボルト数が少ない。
2)インドアは支点が整備されている。アウトドアは野ざらし。
3)インドアでは、終了点が開くことが多い。アウトドアでは終了点はさまざま。中には使い方が分からないものもある。
4)インドアでは、大抵はクイックドローがぶら下がっている。アウトドアでは、クイックドローを持って行かないと登れない。
5)インドアでは下地が平坦。アウトドアでは下地がまちまち。斜めだったり、落ち葉で滑りやすかったり、と不安定。
6)インドアは距離が短い。ロープ長は短い。アウトドアでは、ロープ長が十分か、常に検証が必要。
7)インドアでは、ホールドは指定されている。アウトドアではホールドは自ら見出すもの。
8)インドアでは、グレーディングは適切なことが多い。万が一、グレーディングが違ってフォールしても、大事には至らない。一方、アウトドアでは、グレーディングが適切であることのほうが少ない。一回のフォールが致命傷になることがありうる。
9)インドアでは、ランナウトはない。落ちてはいけない場所というのは、ほとんど除外されている。アウトドアでは、ランナウトした個所では落ちてはいけない。またテラスがすぐ下にある場合や、トラバースなど落ちれない場所も多い。落ちて良い個所かどうか?という判断力が必要。
10)終了点が開かない場合、結び替えのスキルが必要。あるいは懸垂下降のスキルが必要。
一般的に、アウトドアのリスクとして取り上げられる、トイレがない、天候、気温、日射、虫、紫外線、毒草、泥で滑る、季節があって秋は日が暮れるのが早い、…などは、クライミング以前のリスク管理です。
クライミング以前にそういうリスクへの備えがないという場合は、ハイキングを兼ねて、岩場に見学に行くのが良いでしょう。
そういう中でアプローチで落ち葉で滑って転んだ→靴をいいのにしよう、とか、地蜂の巣を踏んだ→ポイズンリムーバー必携、とか、色々な経験値が溜まっていきます。
その後が、アウトドアクライミングのリスクを洗って、それらに備える段階です。
アウトドアクライミングは、様々なアウトドアアクティビティの中でも、自然に対する負荷も比較的小さく、同じ岩場に長く通うことで自然界への愛着も育てられる、素晴らしいアクティビティです。
日々、レッドポイントのために同じ岩場に通う…そうした活動の中で、自ら岩場を整備したい、という愛情も育っていくものだと思います。
岩場愛のある生活はとても満たされるものですよ!
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