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萩原聖人2022シーズン初トップの舞台裏

【船で会場入りしたお嬢】

 2022年12月19日の「大和証券Mリーグ」の会場に、その日の「TEAM RAIDEN / 雷電」の先発「お嬢」こと黒沢咲プロは船で入ろうとした。

 確かに会場は海沿いだし運河沿いなので船で近づけるのだが、こういう発想をすること自体が「セレブ」なのである。
 普通のプロ雀士っていうか普通の人間は都内に住んでいて都内の会場に行くのに「よし、流れを変えるために船で行こう」とは思わない。あ、流れだけに「船」なのか! とは今思ったが、思ってもやっぱり船に乗ろうとはしない。

 でも実際に船に乗ってしまうのが黒沢さんであり、でもちゃんと調べていなかったから、目的地である「日の出桟橋」では下船できず、お台場まで連れていかれてしまったらしい。これもやっぱり黒沢さんらしいのだ。
 
 一方、同じ頃。その日の第2試合を任される予定だった萩原聖人プロは駅にいた。
 萩原聖人が「駅」である。
 麻雀ファンの皆さんも忘れているわけではないのだろうが、彼はかなり有名な俳優で、未成年の頃からスターだ。だから電車に乗った経験はほとんどなくて、常に車で送り迎えをしてもらえる存在なのである。

【切符の買い方が分からないスター】

 萩原さんはMリーグ開幕当初からずっと「しびれ雲」という舞台の稽古や準備、本番で忙しく、あまり試合に出ることができなかった。
 その舞台もようやく12月24日、25日の新潟公演で幕を閉じる。

 ようやく終わりが見えてきたところで、今日は「プロ雀士」としての責任を果たさねばならない。
 だが、萩原さんは今シーズン8戦してトップがない。どころか、昨シーズンから数えると28試合もトップが取れていないのである。

 そんなこと、ある?
 
 私も長年麻雀をやってきているが、さすがにそれはない。あまり数えたことはないが、友人の家で一晩中打ってノートップという経験はあっても、28回はやっていないだろう。せいぜい15回から20回の間だ。

 それがこのMリーグという「大一番」で出てしまう悲しさは筆舌に尽くしがたい。
 
 普段、ゲン担ぎなど、あまり気にしない萩原さんだが、この日だけは何かのきまぐれか「電車で行ってみよう」と思ったというのだ。

 黒沢が船で来るのに対抗して電車に乗ったのではない。萩原さんは試合の翌日に取材するまで、その事実を知らなかった。
 「お嬢、船ってなんだよ、あっははは」と笑っていた。

 こんな偶然、あります?

 しかし萩原さんは、電車に乗った経験が全然ない。当然、suicaとかPASMOといった便利なものは持っていない。
 だから、ある人物に「悪いけど駅から一緒に行ってくれない?」と頼んだ。
 芸能界の大スターが、1人じゃ不安だからある人物に頼んだのである。

 もちろん、それは私ではない。

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