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女流プロ雀士解体新書 丸山奏子(文・藤川まゆ)



本日12月21日、丸山奏子のフォトエッセイ本、『まること麻雀の日々 明日からも前向きに』が発売された。

表紙を見て、思わず顔の部分を拡大して見たのは私だけではないはずだ。
顔がいい、としみじみ思う。丸山のことは、実はMリーガーに指名された際に初めて知ったのだが、その時も『めちゃくちゃ顔がいいな……』と思った。

この本は、生い立ちから現在までを丸山自身の言葉で綴った本とのことだ。
なので、本記事では、他人である私藤川まゆから見た、私の知る”丸山奏子”について紹介しようと思う。丸山自身にインタビューもし、本に収録されていないエピソードも掘り下げた。
”現在の丸山奏子ができるまで”に少し迫れた記事になったと思うので、この記事単体としても、本のオマケ記事としてでも、少しでも楽しんでいただければ幸いである。

【マーダーミステリーと丸山】

はっきりとは覚えていないが、初めて丸山に会ったのは、マーダーミステリー(以下「マダミス」)というゲームでだったかと思う。そういえば、以前松嶋桃の記事も書かせてもらったが、松嶋の記事にも「仲良くなったきっかけはマダミス」と書いた。

わあすごい! マダミスって、友人の輪が広がる素晴らしいゲームだね!
レッツ、マダミス!

――丸山は、常に笑顔で、「楽しい!」を素直に全力で表現する、そんな印象だった。

まさしく”天真爛漫”という言葉がぴったりで、『こんな絵に描いたような”良い子”が存在するのか……!』と思った記憶がある。
特に、最初に一緒にやったマダミスが『ひぐらしのなく頃に』で、丸山は古手梨花(以下「梨花ちゃま」)役だったというのも大きいと思う。
もともとひぐらしが大好きらしく、モノマネレパートリーに梨花ちゃまが入っているという丸山の「にぱー☆」にみんな癒やされていた。(ちなみに藤川はあみだくじに負けて大石蔵人だった)

また、丸山は非常に感受性が豊かだ。
マダミスというゲームは、特に戦略があるわけではなく、”自分が与えられたキャラクターの心情に寄り添い、そのキャラクターの人生を生きる”という要素が大きい。
「私、感情が死んでるんだよね」と語る松嶋とは対照的に、丸山は非常に感受性が豊かで、よく笑い、よく泣く。『知人で一人”感情”を擬人化するなら』と聞かれるなら、私は丸山を挙げると思う。

マダミスには、同じシナリオ内で、泣ける人と泣けない人が同時に存在する。たとえば、大切な人を失うことになる役の人と、推理をすれば良いだけの探偵役の人、などだ。

しかし、丸山は、シナリオ内に泣けるキャラクターが存在してさえいれば、自身が探偵役でも警察役でももれなく号泣している。私もけっこう感激屋であるが、そんな私も驚くくらいに泣く。ちなみに泣いている者がいる横で、松嶋は笑顔で「すごくエモかったね」と言うタイプだし、渋川難波は「いや~よかったよかった」とにやにやしながら手を叩くか、「そんなに泣きます!?w」という。みんな違ってみんないいね、と言いたいところだが、渋川はよくないね。

そんな非常に感受性が豊かな丸山は、接点がない人の対局インタビューでもよく泣くそうだ。音楽や芸術に秀でている人の中には極端に感受性が豊かな人がいると聞くが、歌やイラストなど、芸術方面でも大活躍の丸山はまさしくだな、と思った。

【丸山奏子・松嶋桃・小林剛・藤川まゆの「四字熟語」】

そして、夏に二日間、冬に二日間開催した『もぐまるライブ』。
これは、私が会場である『iTubeStudio』さんにお世話になっており、用事があって立ち寄った際に、スタッフさんに「宣伝も兼ねて、今だけお得に会場を貸し出している」という話を聞き、その場で丸山に「ライブやりません?」と電話して、その場で開催が決まった。
この時、丸山もよく即決してくれたなと思う。スーパーアルティメット鬼過密スケジュールの時期だったにも関わらず、イラスト制作、打ち合わせ、練習などたくさん時間を使ってくれていた。ありがとう。あの時は本当に大変そうででしたね。あらためてBIG KANSYA!

『もぐまるライブ』は、歌ライブの他に、トーク・クイズコーナーがあり、その中に『お題クイズ』というものがあった。出演者が、お題に対して思いついたワードをスケッチブックに書き、それをお客さんに当ててもらう、というものだ。

丸山・松嶋(MC)・小林剛(ゲスト)・藤川の4人で、『今一番最初に思いついた四字熟語は?』に回答するという回があった。藤川は運営のため、最初は不参加の予定だったが、丸山に「人数多い方が楽しいから藤川さんも出ようよ!!」と言われ、急遽出演することとなった。
丸山は、何かをする理由に「楽しいから!」と言うことが多い。個人的に、「楽しいから」に勝る理由はあまりないと思っているので、丸山のこういうところがとても好きだ。
『お題クイズ』の話に戻るが、これをノーヒントで当てるのは鬼の難易度なので、ヒントとしてこのようなトークがあった。

丸山「ヒント! 私おなじ数字ふたつ入ってます!」
藤川「え! 私も入ってます!!!」
松嶋「私も数字2つ入ってるけど、おなじ数字ではないです」
小林「”一番最初に思いついたもの”ならこれかなあ」
藤川「これ、丸山さんと私、一緒のこたえあります!? 一緒にこたえ出しません!?」

「「せーの!!!」」

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※すぐ回答になるので、考えたい方はスクロールせずにお考えください。
このヒントだけで当てるのは難しいとは思うのですが、3人の性格がよく出た回答になりました。

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丸山【一喜一憂!】
藤川【百発百中!】

松嶋「性格でるねw 私も性格でててこれですw」
  【一石二鳥】

小林「今一番最初に思いついたものって言うから、これかなと」
  【四字熟語】

藤川「剛さんのは予想できたけど文字で見るとあらためてやばい」

『今一番最初に思いついたもの』という縛りがあった分、その人をよく表した四字熟語が出てきたなと思う。
松嶋は自分の”楽しい”を集めながら、同時に人に喜んでもらいたいタイプだし、藤川はやるからには全てでヒットを出したいタイプだし、小林剛は……なんだろう、こういう時にめちゃめちゃ『四字熟語』って回答してきそうなタイプである。ちなみに藤川は小林剛のトークも込みで『四字熟語って書きそうだな……』と思ってはいたが、隣のスケッチブックを見たら本当に「四字熟語」と書いてあって、もうだめだった。

そして丸山。いつも明るく、笑顔で周りを明るくしてくれる丸山のイメージは、最初こそ【天真爛漫】や【純粋無垢】であったが、イベントを一緒に運営し、丸山のことを知っていくうちに、なるほど【一喜一憂】は丸山奏子という人間をよく表している、と思うようになっていた。

【スーパーネガティブウーマン、丸山奏子】

弾ける笑顔、明るく可愛い、盛り上げ上手……長所を挙げればキリがないが、そんな丸山には大きな弱点がある。丸山は、よく”不安”になるのだ。

『もぐまるライブ』は、飲食を楽しみながら過ごす29席限定のライブで、当初は二日間開催の予定だった。ということは募集は58名となるのだが、私はこれを少ないと思っていた。募集した際、やはり少ないと感じた方も多かったようで、SNSではそのようなコメントも見られた。
河野直也&松本吉弘の回、松嶋桃&小林剛の回で二日間。
ゲストの人気はもちろん、丸山の人気を考えると、この席数は一瞬で埋まるだろう。

しかし、丸山は募集開始前からずっと「席埋まるかな……大丈夫かな……」と不安そうにしており、「いや一瞬だと思いますよ!?」と言うと、「歌手でもない私のライブって需要あるのかな……」と返ってきた。私は『おいおい何を言っているんだいこの子猫ちゃんは』と思ってたが、丸山は、実際に結果が出ないと不安から抜け出せないタイプであることがなんとなくわかっていた。「一瞬で埋まりますよ!」と言ったところで、本当に埋まったところを見ないと安心できないのだ。
募集を開始してからも、数時間おきに「どんな感じですか?」と確認が来ていた。

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