4/29開催 第二回オンラインAPD当事者交流会(主催:近畿)
開催日時 2020/4/29(水・祝)14-16時
開催場所:ZOOM
参加人数:16人
前回のテスト開催を含めて二回目となる近畿主催のオンラインAPD当事者会です。
まだまだ手探り感が溢れる感じですが、色々な方のご厚意に支えられて続けております。
今回は急遽、大阪市立大学医学部付属病院でAPDの研究と診察を行われている坂本医師がオブザーバーとしてご参加頂けることになり、予定を調整して時間が許す限り質疑応答などの形でも参加して頂けました、この場をお借りして先にお礼申し上げます。
・参加された方の属性
近畿の方が多いとはいえ、福岡から東京まで広い範囲の方にご参加頂きました。
年齢層は20代から50代にかけて
性別としてはやはりというか、女性のほうが多く、これはほぼ毎回の傾向です。
APDの傾向と言うよりも、性別による問題取り組みへのアプローチの仕方の違いのような気もしないでもないですが。
また興味深い点として、工学部の音響面からAPDを研究する学生の方もご参加頂きました、少しずつでもこのような方が日本でも増えて頂く事で、次の世代のAPDを抱える方がより生きやすくなる社会が来てほしいと切に思います。
以下は交流会の内容です
・自己紹介
お聞きした範囲では、以前に当事者会や発達障害系の集まりに参加経験のある方が半数以上おられました。
また同時に「最近APDを知った」という方が若干名おられ、少しずつでもAPDの知名度が上がっていることを感じました。
時節柄、COVID-19の影響で仕事始まりがずれ込んだ新社会人の方もおられ、入社後に困るかもしれないのでAPDを抱える人ができる対策を知りたい、というケースでのご参加もありました。
同様の方は恐らく少なくない人数おられそうなので「APD疑いかもしれないと感じる新社会人向けのノウハウ」を何らかの形でアップする必要もあるかもしれません。
・交流会(前半)
ZOOMのブレイクアウトルームの機能を使い、2部屋に分かれての交流会を行いました。
その中で出た話題としては(私のいた部屋で)
・ZOOMのようなアプリで音と映像に微妙なタイムラグが生じると聞き取りづらい
・COVID-19の影響でコンビニスタッフなどがビニールカーテン+マスク装備になって一層聞き取りづらくなった
・学校で聞き取りは諦めて、板書とかで頑張る事にした
・電話が聞き取れない(複数)
・話が途切れず話されると文章がどんどん消えていく、聴覚から入る情報への記憶力は最初からアテにしないほうがいい
・電話応対する時「長々話されて聞き取れないからもう一度」より「確認している風を装って、細かく話を切って復唱するほうがいい」
電話に関して、大抵のAPDの方は聞き取りづらいので、「聞き取れる長さで話を切る、あと言い方に工夫する」という点には皆さん頷いておられました。
・質疑応答
坂本先生の時間の許す限りで質疑応答を行いました。
・APDの診断のできる医療機関はまだ増えていないのでしょうか?
ー3月ごろに国際医療福祉大の小渕先生が取り組もうとしていた活動があったが、COVID-19の影響で一旦中止に
現在は診断に使う検査基準のアップデートを行い、日本全国で統一した基準によってAPDの診断を行えるように取り組んでいる、大阪市大病院で新しい基準での診断をつい先ごろから開始した。
その基準も実施しつつ改良していく必要があるので、今できるのはまずそこから。
・カクテルパーティー効果について(複数回質問に出ました)
ーカクテルパーティー効果は5-6段階の処理を脳内で経る複雑な工程
効果はノイズ除去だが、周りの音の音圧が下がるとAPDの人は特に、そのノイズの中から会話に関わる音が引っ張り出せない状態になる
基本的に脳での処理だが、耳と脳の間で問題が発生している場合もある。
様々な検査でカクテルパーティー効果の働き具合を調べるが、一つだけの結果が悪くてもAPDという診断はつかない、あくまで総合的にみての判断。
今は「注意」と「理解」という面がAPDに与える影響を注視している。
・仕事場でできる事
ー早口の相手にゆっくり話してほしい時は、自分がゆっくり話すと相手が釣られてゆっくりになる事がある。
適切な相槌の打ち方などで、相手との会話を円滑にする工夫もできる。
環境を良くするために、まず周りの人に「知ってもらう」事が大切
その為に診断書に医師から、APDの苦手な点を具体的に書いてもらうことも有効。
・APDと発達障害との関係性
ー発達障害という表現が妥当かはさておき、発達がアンバランスな方はとても多い
・その他
APDに関する基本的な情報を大阪市大病院で集めている途中、秋ごろには公表できるかも?
・話していて、あとから理解が追いついて「あー」ってなる
ワーキングメモリ―の問題や処理の問題は検査である程度測れるので、一度受けてみてもいいかもしれない。
・集中すれば聞き取れるが、あとでどっと疲れる、普通の人はそもそも疲れないもの?
ー意識せず聞き取れる人は、そもそもノイズ除去で「疲れる」という事に気付いてないかも
ただ、それは絶対的な差ではなく閾値の問題、
検査時は頑張って集中する事で、数字上の結果は出るが疲れ過ぎるAPDの人もいる。
その後は時間の都合上、一旦会を前倒しで締めた後に全体でのフリートークとしました。
ちょっと長くなってきたので、感想等は別記事に続きます。
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