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第5回オンラインAPD(聴覚情報処理障害)当事者交流会

開催日時 2020/08/30
開催場所 ZOOM
参加者 8名(うちファシリテーター1名

今回は特にテーマもなくゆっくりお話しする回でした。

【参加者の傾向】
参加された年齢層は10代から50代まで、半分ぐらいの方がAPDと診断済みで、最近小渕先生に診て頂いたという方が多く参加されました。
小渕先生にAPSの活動を聞いて参加しようと思った、と言って頂けるのは大変有難く、同時に責任も感じるものとなりました。

【自己紹介で出たエピソード等】
以前の職場ではAPDの症状は感じなかったが、転職して感じるようになった
どう職場の人にAPDを説明したらいいのか、理解してもらえるのかを知りたい
すぐ隣で話しているとまだ聞き取れるが、机の向こう側から話しかけられると聞き取れない
うつに対しての治療の一種を受けた所、急にAPDのような症状が出るようになった、診断を受けた所記憶力の面だけ大きく低下している事が分かった

【フリートークで出た話題】
つい最近APDについて知った方も参加しておられたので、APDに関する書籍、最寄りの診断可能な医療機関、APDとは何かという基本的な話を最初に。

また、メニエールを過去に経験しておられる方が複数おられたので、それとAPDとの関係はあるのだろうか?という話も。

今の仕事場で聞き取り困難を感じておられる方からは、
以前の職場では
・電話応対もテンプレートな対応をすればよかった頃は問題なかった
・声を知らない方からの連絡は聴き取りにくい
・会社は理解して配慮してくれるが、今度は周りの人から「どうしてあの人だけ特別扱いなんだ」と言われる
周りの人に対して自分の特性を説明する上で、誰に、どのように伝えるのがいいのか、口頭か、文章化してテキストで伝えるのがいいか、などを話し合いました。

また、学校からの合理的配慮について対照的な経験をお聞きできたのが大変勉強になりました。

【合理的配慮を良い形で受けている方の経験】
大学病院でAPDの診断を既に受けている方です。
・ノートテイクなどは受けていないが、事前に授業で使うスライドやレジュメはもらえている
・動画は全て字幕がついている
・支援室からこまめに連絡が来て「何か困っていることないですか」と聞いてもらえる
・学校側で字幕のつけ方が体系化されている
・配慮を必要とするなら、授業の一回目の講義で先生に伝える事が大事
・ついていけないと感じる時はどんどん言うほうがいい
・要求するのではなく、先生と「すり合わせる」つもりで、PCを全く扱えない先生もおられる

【合理的配慮を受けられなかった方の経験】
この方も、大学病院でAPDの診断を既に受けておられる方です。
学校側と入学後すぐに面談して、自分のニーズを伝えたにも関わらず
「あなただけを特別扱いはできない」
と言われ、その後も機器の発する音声の聞き分けなどで困難さを感じたので、同様の機能を持つ他の機器を使っていいかと提案したところ
「やる気がない」
と却下されたそうです。
その方はその後まもなく学校を辞めて、現場経験日数を重ねることで目指した資格を取ろうとしておられますが、その現場でも大変苦労しておられます。
正直この学校の対応は、お聞きした限りでは酷いと思います。
勿論、学校側の事情や言い分も聞かないと断定的な事を言うべきではないと思いますが。

正直、合理的配慮の問題で対照的なお二人の学生の話をお聞きできたのが印象に残っています。
特に悪いほうの経験は、お聞きしていて何人もが頭を抱えるぐらいに話し合う余地がなかったようです。
分野として医療系なので厳しい面もあるかとは思いますが、それにしても代替する方法があるならそれの使用を禁止する合理的な理由はないのではないかと。
あまり詳しくは書けないですが、かなりのこのお話は聞いていてAPDに限らず、障害者全体への社会的理解が進んでいない点を強く感じさせられました。

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