2020/05/31 第二回オンラインAPD当事者交流会

開催日時 2020年5月31日
開催場所 ZOOM
参加者 7名
テーマ「電話対応の困り感と対策」

今回は通常の交流会とはやり方を変えて、当事者研究的な取り組みにチャレンジしてみました。
テーマとして取り上げた電話対応に関しては、今までも参加された方のおよそ半分程度が職場での悩みとして口にされてきた点です。
今の日本の仕事では電話対応を全く必要としない職場もあまりありませんので、そこがネックになりストレスを抱えたり転職、休職を考えておられるAPD(聴覚情報処理障害)の方も少なくないようです。

今回はそのような取り組み方の一環として、ホワイトボードを使って随時話の内容をまとめつつ、それを見ながら悩みの共有や意見を交わしました。
拙いまとめ方になりましたが、参考までにその内容を公開します。

画像1

(6/1追記)
上記の画像の内容を文字起こしした内容が下記になります。

【電話対応での苦労のエピソード】
・他の人に通話を聞かれていることでプレッシャーを感じる、とてもプライベートな部分を他人に晒している感覚。
・職場での外線が苦手、会社名、氏名を聞き間違える。外線と言うだけで緊張する
・職場での電話が苦手(社名、氏名等)長い社名を早口で言われると分からなくなる
・先日、自動車専用道で原付が壊れた際に使った非常用電話で全くコミュニケーションがとれなかった
・周りの音がうるさい、エコーが返ってくる環境だと電話が聞き取れない。
職場では電話がかかってこない環境なので問題はあまりない。
・友人との電話で困る事がある、聴き取れない話し方をする方とは電話をしない。
グループ通話も参加しない
・職場でたまに電話を取る機会があるが、確認しても用件を間違う。
前の職場ではたびたび間違えて問題になったことがある。
・今の職場はあまり電話がかかってくる職場ではないが、たまの電話対応で困る事がある。
APDより難聴の影響もあるのかも
・電話をかけるのはOK,受けるのが苦手

【エピソードのパターンの分析】
・一度に覚えないといけない情報量が長いと、最後のほうが聞き取れなくなる傾向がある。
「〇〇大学xxxx研究所○○です」など
・聞き返すのが失礼に思えて、そのまま切ってしまう。それが問題になる
・周囲の人に電話を聞かれることで緊張して、より聞き取りにくくなる
「また聞き取れていない」と思われるのが嫌
・エコーの返ってくる状況(狭い廊下や小さい事務所)で通話すると困難さが増す
・心理的緊張とAPD的な聴き取りの苦手さ、今までの失敗経験などが負のスパイラルになっているのかも

【互いのエピソードへのコメント】
・自分も何度も聞き返すのができないので、用件が聞き取れていなくても他の人に引き継いでしまう
・失敗経験→苦手意識によるプレッシャー→さらに聴き取りにくくなる→失敗に繋がるスパイラル
・今までの長年積み重ねてきた失敗経験がトラウマになっている。
それもあって電話で対応していることが非常にプライベートな行為を晒しているように感じる
・聞きなれない単語、方言、独特な言い回しは聴き取れない
・COVID-19の影響のマスク+ビニールカーテンが辛い

【実験計画の検討】
・ICレコーダーなどを使って、あとから聞きなおす
・「お世話になっております」「お名前の漢字はどのように書きますか」という言い回しでメモを取る為の時間を稼ぐ
・ゆっくり話すと相手もつられて少しゆっくりになるので、それを試してみる
・「電話対応が苦手な人」と周りに周知されることで、「補助する必要がある人」だと認識されることを受け入れる必要があるのかも。
・相手に話す用件がまとまらないときは、保留や「折り返します」と伝えて一度通話を終える。


この後は個人的な感想を。

最も印象に残った点としては
電話対応の「失敗経験」

その経験から生じた電話への「苦手意識」

苦手意識からプレッシャーを強く感じ、APDの症状も併せて更に「聴き取りが困難に」

次の「失敗経験」に


という、負のスパイラルを何年も繰り返してきた経験に複数の方が頷いていた点です。
転職後の上司への説明などで多少は軽減された、と仰られていた方もおられましたが、周囲から「またか」と思われる事への恐れや、諦めにも似た感じは私自身も経験がある事なので本当に辛い感情だと思います。

また、今回のように一つのテーマを掘り下げるやり方に関して
進め方や時間配分、事前準備などでもっと準備が必要であることは痛感したものの、需要は間違いなくあります
私自身、今後もっと工夫する事と柔軟に対応するスキルの必要を感じました。

交流会に来られる方は、私の感覚では二種類の方がおられて
・一度だけ参加される方
・都合があえば何度も参加される方
の二種類の方がおられる気がします。
その中で何度も参加される方は、今回のように自分が必要とするテーマを掘り下げて考える機会を求めておられるんじゃないかな、と予想しています。

自分の中では改善点が多く見える交流会になりましたが、参加して下さった方からは参考になったというお声を複数頂いたのが励みになりました。

今後も無理せずぼちぼちとやれることをやっていこうと思います。

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