2020/06/28 第3回オンラインAPD(聴覚情報処理障害)当事者交流会

開催日時 2020/06/28
開催場所 ZOOM
参加者 10名(うちファシリテーター三名)

今回は通常の交流会ででした。
今後を考え、オンライン、オフラインを問わずファシリテーターの経験を持つ人が増えて欲しいな、という私の希望もありましてSNSで希望者を募ってみました。
二人の方が手を挙げて下さったので、トークタイムのファシリテーターはお二人にお任せし、私は開会時と閉会時、あとは補足が必要そうな時だけ話すように進行しました。

【参加者の傾向】
参加された方の内訳をみると、SNSでの活動で繋がっていたり、APD講演会に参加経験がある方はおられても、交流会で他のAPDの方と話す点ではほとんどの方が初参加という内訳でした。
医療機関でAPS(APDサポート)の活動を紹介された方や、今回の交流会直前にAPDを知って飛び込みで応募した方等、かなりバリエーションに飛んだ参加者の背景やきっかけをお聞きする事ができ、新型コロナの影響下でもゆっくりとAPDの知名度が広まっていることを感じられました。

【自己紹介で出たエピソード等】
・会議や電話が聞き取りづらく、議事録、連絡の面で職場で大きな問題になった事がある(複数
・教員の参加者の方は生徒から「あの先生は私達の話を無視する」と言われた経験がある
・仕事の上での会食の場で、聞き取り困難な場面が生じる
・仕事で知り合う方の名前が覚えられない
・講演などに出席した際、集中していても内容が頭に残らない
・学生時代に居酒屋のバイトで問題を抱えた
・発達障害(グレーゾーン含む)も抱えている(複数
・以前は環境的にAPDが問題にならなかったが、独立後問題を抱えるようになった
・聴力検査では問題になった事がない(複数

【フリートークで出た話題】
・義務教育時代は困らなかったが、大学でゼミのチーム活動になると途端に困るようになった、APDを伝えて議事録等で配慮してくれるようになったので改善された
・近くの耳鼻科で相談した際には冷たくあしらわれた
・電気工をしていて、電柱の上にいる先輩の指示が聞き取れず大変怒られた
・説明して理解してくれる人もいる、今の職場はとても配慮してくれて働きやすい
・転職するか悩んでいる、職場に何をどう説明すればいいかが問題
・WAISの結果は処理とWM(ワーキングメモリ)のバランスがとても悪かった、WMの成績が予想外によく処理が悪かったのが困り感の原因だった
・最初から綺麗にメモを起こそうとすると内容が飛んでしまうので、まず汚くても殴り書きで全体を書いてから、綺麗に清書するようにしている。
・交流会というものに初めて参加してみたが、情報と共感を得られる点が良いと思った
・オフラインよりもオンラインのほうが敷居が低く、時短できるのも魅力だと思う
・専門であるはずの医師の認知度がとても低く、なんで広まらないのかが不思議

【終えての感想と課題】
今回はいくつか普段の交流会とは違う試みをしてみました。
①私以外の方にファシリテーターをお願いした
②普段は二時間で終えていたが、二時間半に伸ばしてみた

①に関しては冒頭にも書いた通り、今後もオンライン、オフラインを問わずもっとファシリテーターの経験を持つ方が増える事で、交流会の開催頻度の増加、あるいは規模を大きくすることが可能になって欲しいというのが狙いでした。
今後もこのような事は続けていきたいと思います、慣れるまではファシリテーターをする方は間違いなくしんどい思いをさせてしまう事になりますが。APDの認知度がゆっくりとでも広まる中でオンライン、オフラインで交流の場のコントロールができる方を増やすのはかなり喫緊の課題だと思っています。

②に関しては、やはり「しんどい」という声がアンケートで上がってきていたので、次回からは二時間で終える従来の形に戻そうと思います。
一概には言えませんが、講演会などでも途中休憩まで含んでも二時間を超えると「しんどい」という感想が増える気がします。
APDの方の平均値としてはその辺が限界なのかもしれません。

全体の感想としては、最近APDについて知った当事者の方が多かった点が驚きでした。
特にTVなどでの取り上げられた場面はないはずですが、ネットメディアなどでは時々過去の記事が再掲載される事があり、それで目にした人が増えているのかもしれません。
参加者の地域分布は北海道から九州まで、オンラインらしい広がりがありました。

また、この交流会を始めた当初は、その時点で手に入る資料や論文、書籍をある程度読んでから参加する方が多かったのですが、最近は交流会が初めてAPDの情報に触れる機会になっている方が確実に増えてきています。
同時にその機会の為にZOOMをインストールした、という方も毎回おられるので、そのような方の為にZOOMの使い方、まず読んで欲しい本(今だと小渕先生の新刊かな?)を冒頭に確実に伝える必要がありそうです。

交流会に慣れてくると、どうしてもある程度知識があることを前提にしがちですが、
常に初めて参加される方の立場に立って、まず最初に知っておくほうがいい事を絞り込んで伝えるようにしたいと感じました。

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以下は余談です。
時々SNSで呟いている、APDのマークのデザインとグッズの制作をしている学生の方が、販売を開始されました。
たう汰さんのTwitter
で販売先がみられます。
全体にお値段ちょっと高め?と思えるかもしれませんが、試作品の制作から何からここまで自腹で頑張ってこられたので、応援も兼ねて気に入るものがあれば是非ご購入下さい。
缶バッチなんかは、APDのオープンチャット
「レジなどでお客様にゆっくり話してもらいたい時、ぱっと目につく缶バッチとかあるとそれを示して説明できるからいいよね」
という話が出て製品化されました。
Facebookなどだと外国の方も「英語版のキーホルダー欲しい!」って結構な反響があったりもするので、いつか国際的に認知されるマークになったり、、、すると面白いなあと思う次第であります。




もし何かAPDや交流会に関してお問合せになりたい点がありましたら、お気軽に
Eメール:ewiglichschnee@gmail.com
Twitter:@PeerApd
までご連絡下さい。

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