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『筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト』とは?


筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト(通称:筋ジスプロジェクト)は、全国のCIL(自立生活センター)を含む障害者団体を中心とした障害当事者、支援者など様々な人が繋がるネットワークです。

その他、研究者やジャーナリスト、医療関係者、法曹関係者などの方々もメンバーとなっています。

日本全国にある筋ジス病棟を「体制」として地域に開かれたものにするため、

・入院(入所)患者さんとの繋がり作り
・筋ジス病棟からの地域移行の促進
・入院患者の処遇改善

などの活動を行っています。

筋ジス病棟とは…
 かつて結核患者を隔離収容するために建設された国立療養所に、全身の筋肉が動かなくなっていく進行性の難病「筋ジストロフィー」の患者らが 1960 年代に措置入院して「筋ジストロフィー病棟(筋ジス病棟)」となりました。
 現在も全国の国立病院機構所管 26 病院には約 2000 人の筋ジストロフィーを主とする神経筋疾患(脊髄性筋萎縮症やALSなど)の方々が入所しています。
 幼少期から終末まで、何十年という入院生活を余儀なくされている患者さんも少なくありません。

「筋ジスプロジェクト」ができた経緯

このプロジェクトが始まったきっかけは、
京都府のCIL「JCIL(日本自立生活センター)」と兵庫県のCIL「メインストリーム協会」などが退院支援をした、ある筋ジス病棟の患者さん(古込さん)との出会いにあります。
古込さんは、30年あまり入院生活を送っていました。また、一番最近した外出は、19年前であったそうです。地域での生活(一人暮らし)を希望していましたが、様々な事情で実現することは難しいようでした。
地域での生活は決して不可能なことではないと、退院に向けた支援として古込さんに関わりを始めました。

支援をする中で、古込さんや他の筋ジス病棟の入院患者さんから聞いた病院内の生活(こちらから古込さんの当時の思いが見られます)と、24時間介助を受けながら地域で暮らす重度障害者の生活には、大きなギャップがあることがわかりました。

その差はあってはならないもので、少しでも減らしていくために動いていかなくてはならないと感じました。

「どんなに重度な障害があっても、その人が望むのならば、当たり前に地域で生活を送ることができる」

「病院にいたとしても、可能な限りより良い暮らしを送ることができる」

これらを可能にするには、より多くの人と共に考えていく必要があると考え、2018年に

『筋ジストロフィー・クリスマス・シンポジウム』
~筋ジス病棟と地域生活の今とこれから~

と銘打ったシンポジウムを行いました。

そのシンポジウムでは、退院支援を受けて筋ジス病棟から退院された元入院患者さんをはじめ、障害当事者、医療者、支援者、研究者たちが集まり、筋ジストロフィーをはじめとする神経筋疾患の方々のよりよい暮らしの実現に向けて、筋ジス病棟や地域生活の現状や課題などを考えていきました。

盛況に終わったこのシンポジウムでしたが、これだけで終わらせてはいけないと、【筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクト】として活動を続けていくことにしました。

現在の活動


・アンケート実態調査
・実態調査報告書作成
・筋ジス病棟からの地域移行支援、情報共有
・地域移行報告(外部への理解啓発)
・政府質問主意書、障害者権利条約パラレルレポート
・厚労省や国立病院機構との交渉(病棟内での三号研修実施要望)
・定期的な活動報告会議
・入院患者さんとのZoom交流会
・女性入院患者さんの困難についての取り組み

・今後について

1)アンケート実態調査報告書を通して、筋ジス病棟の患者さんの生活を取り巻く問題を社会に知ってもらう

2)障害当事者、家族、病院と医療関係者、自治体、CILなどが面としてサポートしながら地域で暮らせる形を提示し、全国に広げて行く

3) 制度・政策として生活改善、地域移行に関する問題解決を目指す

定期的な活動に加え、上記についての活動を行う予定です。

・連絡先一覧

筋ジス病棟の未来を考えるプロジェクトメールアドレス:contact.plhn☆gmail.com(ご連絡の際には、☆を@に変更してください)

アンケートフォーム(ご意見やご感想などはこちらよりお願い致します):
https://forms.gle/w82PzmqUWnUBy5316

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