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国内開発チーム製のLinuxディストリビューションを使ってみた話

こんにちは!

先日、新たにノートPC(ジャンク品)を購入し、そのマシンに国内チームが開発している「Selene Linux」というディストリビューションを導入してみたので、今回はそれについて書いていきたいと思います。ちなみに、「Selene Linux」のインストールはこちらから↓


導入の理由と導入したPCについて

今回導入したマシンは、以前Linux mintを入れたマシンの時と同様に、メルカリでジャンク品を購入しました。外見としては下の写真のような感じで、購入価格は送料込みで2300円(メモリあり、電源アダプタあり、ストレージなし、起動確認済みだが動作不良あり)。このくらいの値段なら、動作すれば儲けモンくらいノリでちょっとしたギャンブル気分で買えるかなとw

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モデルとしてはAcer社の「TravelMate 5720」。持ち運び用的なモデル名ですが、サイズ的にも2.8kgという重さ的にも持ち運びはちょっと厳しいでしょうね。まあ、2008年発売という13年前のモデルなので、当時の技術レベルを考えると仕方ないのかも知れません。

スペックとしては、CPUがCore 2 duo T7500、メモリはDDR2 2GB(最大4GBまで拡張可)なので、今メインとして使っているVaioのジャンク品(第一世代Core i-3(モバイル用))と比べても、もう一段階スペックが低い感じですね。まあ、今回想定している用途を考えると、大してスペックは求めていないので、64bitのOSが入るようであれば特に問題はありません。製品仕様としての不満点は、キーボードの配列が特殊なせいで押し間違いが多いというところですかね。バッテリーがほぼ死んでいるのはジャンク品なので流石に文句を言うつもりはありません。

そもそも、今回なぜ新たにPCを購入しようと思ったかというと、電子工作用に一台別PCがあると嬉しいなと思ったからです。メインで使っているPCもラップトップではありますが、ほぼ据え置き機として使っているのであまり取り回しがよくありません。電子工作の開発をするときはArduinoをPCにつなげて行うわけですが、上記の理由で狭いところで作業せねばならず、なかなかやりにくかったんですね。そういうこともあって、メイン機とは別にノートPCがほしかったわけです。Arduinoのプログラミング程度であればさしてスペックも必要ないので、激安でジャンク品を買ってそれを使えばいいかなと。

ちなみにストレージとしては、安くて有名なKingstonの2.5インチSSD 240GBを3000円くらいで購入しています。今考える120GBでも良かったかなと言う気もしますが、大して値段も買わないので・・・と考えるとなかなか悩ましいところです。まあ、いずれにしてもこの程度の価格でSSDが購入できるというのはなかなかいい時代になったものですね。


Selene Linux

お金をかけたくないのでOSはLinux系一択なわけですが、ちょうど導入を考えている時に国内チーム製のディストリビューション「Serene Linux」の存在を知ったので、せっかくなのでこれを入れてみようと思ったというのが今回のきっかけです。ちょっとしたコーディングやブラウザを使うくらいなら、ぶっちゃけ別にディストリビューションは何でも良いんですが、興味本位でって感じですね。

ちなみにこちらの「Serene Linux」は現時点のバージョンはBeta 8で、RedHat系のFedoraをベースとしたディストリビューション。この手のカスタマイズ系ディストリビューションはUbuntu、Debianベースが多いので、Fedoraベースというのはちょっと珍しい気がします。実際に、この「Serene Linux」についてもBeta 7まではUbuntuベースだったようですが、色々あってFedoraベースに乗り換えたようです。今までに触ってきたLinux OSは全てUbuntu系だったので、RetHat系に触れるという意味でもちょうどいいかなというのも採用した理由の一つです。

公式ホームページでも触れられているように、今回のような低スペックPCでも十分に動かせるというのが特徴です。最近はネットページは重くなってきているので、さすがにめちゃくちゃ快適であるとは言えませんが、ネットサーフィンとしての利用なら今回くらいのスペックでも許容範囲ってくらいですね(OSというよりは、ウェブ全体の問題)。おそらく、デフォルトで動いているソフトウェアを極力少なくしているのと、デスクトップ環境として軽量なXFCEを採用しているのが軽量さに繋がっているのかなと(これは軽量系Linux一般に言えることだとは思いますが)。

あとは、使っていて感じるのはデザイン性ですね。デフォルトの壁紙然り、アイコン然り、全体的な配置然り、フォント選び然り、だいぶ洗練されているという印象です。軽量Linuxだとありがちな野暮ったさがないのは非常に好感が持てます(いかにも「コンピューター」って感じの古典的なデザインも嫌いではないですが)。実際のデスクトップ画面はこんな感じ。見ての通り、結構Macを意識したデザインなのかなぁと思ったり。

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あとは、独自のブラウザとして「Flast」というFirefoxベースのソフトウェアがインストールされているみたいです。あまり使い込んでいないので、Firefoxとの違いはちょっとわからないですが、Firefoxのアカウントと同期できるので、このPCで調べ物をするときなんかはこのブラウザを使っています(完全に余談ですが、最近Chromeの方針でちょっとイラッとしたことがあったので、普段遣いのブラウザをChromeからFirefoxに乗り換えましたw)。

そんな感じで、特に顕著な不安定感もないので電子工作やちょっとしたコーディング用として今後も使ってみたいと思います(実はこの記事もそのマシンから作ってますw)。まあ、基本的にはほぼFedoraなので、困ったことがあっても情報はいくらでも見つかるので問題はないでしょう。

ちなみにですが、Twitterで日本語サポート等もあるようなので、Linuxにあまり馴染みのない方にもおすすめのディストリビューションなのかも知れません。最近のディストリビューションだと操作系の日本語化がしっかりしているものは珍しくないですが、日本語サポートまで整っているところはあまり聞かないですしね。


FascodeNetwork

で、こちらの「Serene Linux」を開発しているというのが、「Fascode Network」という国内の開発チーム。詳細は僕もよくわかっていないですが、どうやら学生が中心になって活動しているようです。この「Serene Linux」だけでなく、Arch系の「Alter Linux」の開発や、その他のツール・ソフトウェアの開発なんかもしているようです。Arch系のLinuxもそのうち触ってみたかったので、「Alter Linux」についてもそのうち使ってみるかも知れません。公式ページはこちら

Youtubeの動画投稿なんかもやっているようですね。

いろいろと上記のサイトを見ているうちに、このチームに対する「寄付」についての記載もあったので、ちょっと思うところがあり「patreon」というサイト経由での支援も申し込んでみました。月間5ドル、10ドル、15ドルのコースがあるようですが、せっかくなので15ドルのコースでここ数ヶ月支援を続けています。

実際に支援してみようかなと思ったきっかけは以前読書会で紹介いただいた「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」を読んだことです。詳細はこの記事の主旨から外れるので割愛しますが、社会への投資として自分が応援したいと思うところにお金を使いましょうというのが、この本ざっくりとしたメッセージです。それ以外にも、平易でわかりやすい表現ながらも貨幣や経済についてのかなり本質的な議論がなされており、かなりおすすめの一冊だったりします。

この「FascodeNetwork」のように、チームで新しいことをやっていく活動はすごく重要だと思いますし、実際に「Serene Linux」というその開発成果を使わせてもらっているので、月15ドルくらいの応援はしても良いのかなと思ったわけですね。僕が知らないだけかも知れませんが、国内の学生からこういうきっちりした形の開発プロジェクトチームとかが出てくるのって珍しいと思うので(個別のソフト単位とか、同人系の創作物・コンテンツだと珍しくないですが)、そういうところは積極的に応援していきたいところです。

もしご興味ある方は、月5ドルからでも支援可能なので、ぜひ参加していただければと!


まとめ

今回は、国内チームが開発したLinuxディストリビューション「Serene Linux」を導入してみたことについて書いてみました。あくまでもサブPCなのでまだまだ使い込めていないところは多いですが、軽量かつデザイン的に好みなディストリビューションなので、引き続き使っていきたいところです。

それでは、また!

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