東京とほぼ同じ広さの森林を焼き倒した隕石爆破、「ツングースカ大爆発」についてのお話
今年の7月、1つの都市を吹き飛ばすほどの威力を持った小惑星「2019 OK」が地球の6万5000km近くを通過して話題となりました。地球と月の距離が38万4400 kmであるため、かなり近い距離にまで迫っていたことがわかるでしょう。
さらに、この小惑星の正確な軌道が判明したのは地球をかすめるわずか数時間前でした。衝突しなかったため良かったものの、過去に隕石が地球に衝突したことは何度もあります。
今回は、今から112年前にロシアで起きた「ツングースカ大爆発」についてお話しようと思います。
1908年6月30日、シベリアのツングースカ川上空に巨大な火の玉が現れて、大爆発を起こしました。火の玉が空を横切った際に生じた熱風があらゆるものを焼き払い、半径約30〜50kmにわたって森林が炎上。
その後の衝撃波によって、約2150平方キロメートルの範囲の樹木がなぎ倒され、あたり一面が平面と化しました。東京都の面積が2188平方キロメートルのため、とんでもない広さの森が焼き倒されたことが理解できるでしょう。
爆発によって生じたキノコ雲は数百km離れた場所からも目撃されたそうで、イルクーツクでは爆破の衝撃による地震が観測されたと言います。
この尋常ではない大爆発がなぜ発生したのでしょうか?
その当時、現場から隕石の痕跡が見つからなかったため、多くの科学者は彗星の落下が原因と結論づけていました。彗星は氷でできているため、蒸発してしまったと考えられたのです。
しかし、その後の調査によって2013年に、ウクライナ、ドイツ、米国からなる研究チームが、隕石の微小な残片を確認したことで、隕石によるものであったことが明らかとなりました。現場の泥炭から地球にほとんど存在しない鉱物であるトロイライトや、テーナイトが発見されています。
また、地球にやってきた巨大隕石は直径30~90mもあり、それが上空で爆発したと考えられています。
近くに村落がなかったため、死者は報告されていません(猟師や木こりなどの燃え尽きて消失した犠牲者がいた可能性もある)が、現代の都市に落ちるとその被害は計り知れないものになることでしょう。
隕石はそのサイズが大なり小なり、落ちる場所が重要となるのです。まあ、地球崩壊クラスの天体であれば、どこに落ちようとも関係ありませんが。。。
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