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JustMatch!サービス終了のお知らせ

VRChatのインスタンス管理サービス、JustMatch!を終了しました。供養記事です。

理由

・利用者がいない
・↑の理由を考えたところ、そもそものコンセプトが悪い
・VRChat側の新機能で似たような事ができそう

そもそも何をやりたかったのか

以前noteにも書きましたが、それを一言で書くと「ワールドと場(体験)を疎結合にしたかった」となります。なんだそりゃってなるので以下解説

まずVRChatのワールドとインスタンスの関係、そしてJustMatchの目指したところについて書きます。

VRChatではインスタンスは純粋にワールドのコピーであり、ユーザー体験の場もそのインスタンスが基準になります。具体的には、各インスタンスに入るためにワールド一覧からワールドを選択して、その次にインスタンスを選び、そのインスタンスの中で交流する、といった具合です。ワールドは手動で検索できる他、新着順や人数順、Hotなどでソートされます。このようにワールドとインスタンスが密接に結びついています(密結合)

JustMatch!が目指したところは、下図の下半分にあるように、ワールドとインスタンスを切り離して、体験ベースでユーザーが集まれるサービスになります。具体的には、まず「ルーム」というインスタンスの入れ物を用意します。そしてVRChatAPIを利用して「ルーム」経由でインスタンスを生成できるようにすることで、「ルーム」を基準にしてユーザーがVRChat空間上に集まれるようにします。(起動リンクから直接VRChatを起動&インスタンスに参加できるようにもしています)そして「ルーム」にそれぞれ「話題」や「イベント名」「フォース(ユーザー団体)」のラベルをつけ一覧表示&検索可能にすることで、体験ベースでユーザーが集まれるようになります

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ハイコンテクストすぎた

最大の反省点なのですが、このサービス、ユーザーが上記で述べた長々とした背景(コンテキスト)を理解しないと「なにやっていいかわからん」状態になってしまいました。

また、わかりやすいメリットとしてイベント管理がしやすい(大量のフレンド登録がいらない、複数のインスタンスが1ページで管理できる)という点を推したのですが、イベントカレンダーに登録&大量にフレンド登録する従来の手法が既に浸透しており、主催者もユーザーも新しく使い方を覚えるコストに対してそれを超えるメリットを提供できなかった、という結果になりました。

施策いろいろ

そこで行った施策としては、通常のHowtoページの整備や各種オーバーレイ他UI的な整備以外に、noteでイベントHowTo記事を書いたり(何気にSEOが良かった)、イベンター向けに会場予約・参加予約機能を作ったり、VRChatとフレンド連携してどのルームにフレンドが何人いるかわかるようにしたり、いくつかのイベントで実際に利用してもらって宣伝&フィードバックに役立てたり自分で主催したり、基本的にはサービスを理解するコストを下げてメリットを増やし、イベント利用で認知度を上げていく、といった方針でした。

結局のところ

ただ、実際にユーザーの声を聞いても、「これって結局なんなの?」という部分に説明が必要で理解に時間を要することは変わらず、そういったユーザーの理解度・認知度を上げる前にモチベーションが尽きた(私自身筋悪なコンセプトだったと感じている&興味が他に移った)ため、サービスを終了することを決定しました(決断が遅い)。

反省点まとめ

・新しい概念を追加するとき、特に既存のものに追加するときはハイコンテクストになるので注意

・既に十分認知された手法がある場合、それよりもローコンテクストでないと打ち勝つのは難しい

・それでもやるならちゃんと認知・理解してもらえるように戦略立ててやろう

余談

VRCモデルデータベースもそうなんですが、JustMatch!も人がいないと成り立たないサービスで、高カロリーなサービス、維持にエネルギーが必要なサービスだったと思います。次は低カロリーなサービスにしたい

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