陰陽師0(1回目)

めっちゃイマドキ感


画像のスケールの大きさは、監督と原作者夢枕先生との「映画化したい」を、今日まで待ったらこそ、、と思わせる現代ならでは。今までも映画化、漫画化されてはきたけれど飽くまでその時代のリアル感を踏まえたものだった。

翻って、2024年の今から見ると”平安時代” + “呪術”=非日常の異世界。
いくらこの時代は生活の中で真剣に異界の存在を感じ、共存しようとしていたとはいえ。この非現実感、フィクション感をダイレクトにファンタジーに振り切ったみたいだ、、

陰陽道、 密教と、、、Witchcraft ?

HPファンとしても、「陰陽師」ファンとしても冒頭のホグワーツオマージュは、苦笑い。(マホウドコロとでも?)ちょっとやりすぎ。HPの世界観と、平安時代、日本の呪術及び陰陽道の世界感を単純に重ねてしまっているのは、十把一絡げに扱われている感。ほんと、あの部分については、、観ない方がよかった。いきなり、イラっとする現実を感じ、映画の世界観に入り込めない。

安倍晴明2024


今まで原作で描かれていなかった、若い時代の晴明様像。山﨑賢人さんが演じた2D役でダントツ、はまっているのでは。クールな美形、細い体形。
原作のキャラクターに比べると”熱い”し、素直オーラがまだまだでてて、鬼や怨霊と対峙できるほどのずるがしこさ、冷静さ、決して胸の内を簡単に見せない、、みたいな面は一切ない。その辺りを「若さ」としているのかもしれないが、また、新しい「晴明様像」を観れたと思う。

周期的に注目される安倍晴明。1500年前に日本は晴明様の呪にかかったのかの様。

派手な映像は本当に必要なのか、、

原作を読んでいただくと、いや、その前に、本のページをくっていただくとすぐわかる特徴があります。

紙面に割と余白部分が多い。特に晴明&博雅鉄板の
「ゆこう」
「ゆこう」

二人が話している場面、私にとってこの余白は土御門邸の手入れして無さそうで整っている庭、またはその空気感である。
その空気感は、雅、。
(岡野先生の「陰陽師」はこの空気感すら描かれていると思う、)

ネトフリで、ド派手な陰陽師もありますが、
平安時代の貴族社会の雅な空気感と鬼、怨霊、と言う異界の闇の、組合せ、のミステリアスさとは程遠い。どうしても、個人的には後者が生かされていないものは飲み込み難い。
特撮やデジタルがあまりに全面に出されると、作品が幼稚な印象になりかねない。

その点、『陰陽師0』は、映像の美しさを前面に出しつつアクションシーンのデジタル演出も共存させるべくギリギリの線!を上手く創られているのでは。

もう一回は観に行く予定。
更なる発見があるのか、深まるのか、、。
取り急ぎ感想でした。

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