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エッセイ『同性愛』「ぼんやり不安」

百合を拗らせ早10年。この言葉だけじゃ何のことかさっぱりだと思います。着飾らずに言うと、同性(女性)が恋愛対象に含まれるようになってから10年が経ちましたよということです。


初めてできた女の子の恋人と紆余曲折(ほぼ性に対して自由人の私が原因)ありつつ現在同居しています。同性カップルの出会いとしてこの経緯をレズバーで話した時に割と私がレアケースだと知りました。他の方はイベントやマッチングアプリなどで知り合うことが多いみたいで……。


中学の時にできた恋人と成人してから同居しているというのは異性カップルでもまあまあ珍しいと思います。ただ、10年丸々ラブラブライフというわけではないのです。男性も恋愛対象になる私は一度彼女を振って他の男性と付き合っています。

彼女も初恋は男性なので、二人とも根っからのレズではないのかもしれません。お互いに恋愛対象が広い中なぜ付き合っているのか。一度別れたのになぜ一緒に暮らしているのか。「好きだから」で収束してしまう問題も時折「本当に?」と考えてしまいます。

というのも二人の出会いが思春期真っ盛りで、その頃特有のイケない恋愛(異性と付き合うべきという社会的な雰囲気への反抗みたいなもの)や誰にも邪魔されない二人だけの世界に耽溺したいという欲を引きずったまま大人になってしまったような気がするからです。

友人として始まった関係なので、恋人として別れる=親友を失うという怖さもあります。今一緒に暮らしていて何不自由ない生活なのにこんな不安を覚えてしまうのは、変に情熱のない大人になってしまったからなのでしょうか。

仕事で帰りが遅い恋人を待ちながら時折ぼんやりと考えてしまいます。

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