マガジンのカバー画像

首のないことを選んだニケ

99
解離
運営しているクリエイター

2019年2月の記事一覧

むかうところ、

月は雨。

ふるふる月の寂しさや是。
月は毎に降る。どこにも降る。

可笑しなことをいふひとあれば、然もありなん。
右にならう。
 
 
 
愉しいか、たのしいか。寂しいといふ。摩訶不思議
どうこういうより、

どうこう在れ。

月は雨。
 
 
 
 
月はなんぞ。

黒いものだけ応える。
欲するは雪花の如く、また冬を待つしかない。

呼応とは、儚い。

真夜中の訪問者

それが
そっと扉をひらくと、
幽かな月明かりに似たものが、ゆらり
白く浮かびあがる。

冷めた溜め息に促され、冷えた指先が行く先を求め宙を泳ぐと、
 
 

不機嫌な時間がうごきだす。

それはきょうも、きのうもおなじ味がする。
工場の床の匂い。

夜毎に訪ね来るものの手にはプラスチック粥。
 
 
 
これほどに囚人病棟の気分を味わう。
日日、吐き癖のある患者は、こうしてパブロフと化し薬を与えら

もっとみる

然うして空腹をまつ。

月も消えぬ明けの時分に誕生日の規則性と確率を試算していた。理由は暇だったから。

しかし、数字の羅列が蔓延した世界では当然にだれかが、それを既に知っている。果たして無意味だろうか。
 
 
気づきとは、然うして生まれ死ぬ。

明けてみれば月は見えず。

金魚の隙間

漸くと僅かばかりではあるが、活路のようなものを見いだす。

怒濤の兆しは拭えずも無いよりはあるほうがいい、とも言えずにある事実。然うして
 
 
 
論よりなんとかのために、冷蔵庫の食材たちを常備菜へと変化させることに没頭する。

弁当の隙間には金魚を、それでも事足りなければ明けの月を黄色いオムレツにすればいい。