レコーディングの勉強部屋①ベースのレコーディング
レコーディングの勉強を始めたのでシリーズ記事にしていこうと思う。第一弾はベース。例えば生録の場合はDIとアンプ録りをブレンドした音作りが一般的だが、どのような点に注意していけば良いのだろうか?
DIの必要性
DI(ダイレクトボックス)は、インピーダンスを変換して機材間のマッチングを取るために使用されるが、実はDIが重要なのはインピーダンスマッチングだけではない。音質にも大きく影響するのだ。そのため、宅録するにしてもライン系の楽器はオーディオインターフェースやマイクプリに直で繋ぐのではなく、DIに繋いだほうが良い可能性が高い。
代表的なDI
COUNTRYMAN TYPE85
ベースのDIといえば、でまず名前のあがる代表的なDIで、ベースらしい太い音を作流。生ベースからシンセベースまで様々なベースのソースで活躍し、2-3kまでの中低域のソースに有効だといわれている。
3番ホット問題
古いCountrymanは3番ホットだったが、現在は2番ホット。スタジオなどで改造されてないものは3番だったりするので購入の際は要注意。
BSS AR116(現行モデルはAR1133)
大きいスタジオではCountrymanとともに置いてあることの多い、二大DI。Countrymanよりクリアな音がとれるので、シンセなどが良いとのこと。ギターベースはCountryman、シンセはBSS、などのようにざっくり考えておくと良さそう。
BOSS DI-1
一般的なDI。音の抜けが良いがベースの存在感はあまりでない。シンセPadなど高音域のあるソースにはよいかも?
AVALON DESIGNのマイクプリ
V5などはDIとしても使用されることが多く、特にベーシストがDIがわりに使うことが多いそう。ただエンジニア的には余計な帯域が多くて好まない人も多い。基本的にはフラットな音色。
アンプ録り
アンプの録り音は芯がなく、オケに入ると前に出てこない。ドーナツの形でいうとDIが芯の部分、アンプがその周りといったところだろうか。ミックスにおいてはどちらかを基準にしてもう一方を混ぜる。アンプの音には歪み、倍音が含まれているのでDIを基準にすることが多いが、場合によってはアンプを基準にすることもある。
基本的にはスピーカーの正面にマイキングすることが多いが、距離によってもかなり音が変わるので注意が必要だ。
使用するマイク
ベース用でDIとの併用ということでいくと、ダイナミックもコンデンサーも使われる。ダイナミックなら421、コンデンサーならU47あたりが良いかもしれないという噂。
位相の問題を考える
DIとマイク録りをトラックに乗せると位相が逆になっているときがある。その場合はどちらかの位相を逆にするか、波形の位置をあわせてみて様子を見るのがいいだろう。ただし、マイク位置でアンプの波形のタイミングが変わるのでその点は注意が必要。
ベース単体の音とオケと混ざったときの音は異なる
単体とオケの中に入ったときの音は異なる。単体で聴いてよいものがミックスにおいても良い結果になるわけではないので、その点は覚えておこう。
アンプ録りができないDTMプロデューサーの対策はどうすればいいのか
話に聞いた限り、かつギター用になってしまうが、スピーカーシミュレーターという選択肢があるそう。例えばマーシャルなどのギターアンプのヘッドを、スピーカーにつなぐ代わりにスピーカーシミュレーターにつないでオーディオインターフェースに送ることができる。
Suhr Reactive Load
https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/260047/
ギタリストでないのですぐに購入するつもりはないが、かなりリアルな音を作れるそうなのでいつか試してみたい。
まとめ
基本的にベースのレコーディングはDIとマイク録りの2種類があり、ミキシング時に両者の音をブレンドしてちょうど良いバランスを探していく。なのでこだわりポイントを分けて対策を考えていくのが良いのではないだろうか。
DTMだとライン録りだけになってしまうことも多いと思うので、少なくともDIをかますということ、そしてプラスアルファでアンプシミュレーターやスピーカーシミュレーターを導入するというのも手だろう。スタジオを使用できる時間とコスト的余裕があるのであれば、もちろんマイク録りをするに越したことはない。
以上、次回は他の楽器のレコーディングについて記載してきたいと思う。
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