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2024.1.25(thu)【 1/2章 】

活動ブログ
活動内容 : スチール写真撮影
場所 : 豊島区のスタジオ


車内のアナログ時計は午後3時40分を指している。俺は首都高速道で黄金色に光る荒川を渡りながら西陽に眼を細めていた。目には少し涙が溜まっていた。カーステレオからはX JAPAN のRASTY NAIL 。爆音でヘッドバンキングする俺は裏声を振り絞り、ドアポケットとウィンドウスイッチの間のプラスチックの部分をドラムに見立て指でリズムを取りながら、高鳴る気持ちを抑えきれずそのままにしていた。

なぜ、俺がこんなにハイテンションになっているのか、それにはしっかりとした理由がある。

それはポカリスウェットを飲んだからだ。

決してポカリに薬物を混入させその作用でハイになっているわけではない。全くのドシラフだなのだ。ポカリの予想外の効能に自分でも驚きながら、汗ばむ左腕でハンドルを握りしめ、曲目は  THE LAST SONG に移り、俺は震えるハイトーンボイスを振り絞りながら西池袋出口方面へ右折をし、首都高を降りた。

今回ポカリでハイになった経緯を説明させてもらう。

結論から言おう。たった今現在までの1週間、ほぼオールデイで断食のような姿勢をとっており、体内から糖分や脂分、そして水分までを極限まで取り除いていたからだ。極無状態の身体にポカリを入れ、ハイになったのだ。本日なんと体脂肪率7.6%を叩き出し、放心と苛立ちの狭間をまるで綱渡りのバランスを保ち存在する、まさに極限状態だ。

177cmの俺の体重はナウで60.15kg。さっきサウナを出てシャワーの前でうずくまっていたら、白髪のおじいちゃんに大丈夫か?と声をかけられたほどだ。37歳の体力盛りの男がなぜ、ここまで追い込みをかけているのか?もちろんそれにも理由がある。※1

だが一旦その理由はさておき、極限まで栄養素を取り除いた状態の身体にポカリを投入すると、一気に気分が高揚しX JAPAN を熱唱してしまうという効能を発見したことは、今後の活動に使えるかもしれないと思った。はっきり言って車の運転中に "紅(イントロストリングス)" を熱唱するなんて数年に一度あるかないかの精神状態な訳で、そこまでブチ上がるというのは、良き発見だった。しかも感極まって涙まで溢している。自分の気分の上がりように上がるという不思議体験だった。

さて、※1の理由に戻る。
なぜこれほど極限まで節制をしていたのか?ということだが。その理由は、上半身裸の写真撮影をする為に身体作りをしていたからだ。

その撮影が昨日(2024年1月24日)だった。そのために去年の12月1日から砂糖を禁じ、1月からは食事は朝食のみ摂っていた。そしてラスト1週間の食事に関しては、断食を2日間行い、残り4日は豆腐1/3丁に納豆そしてキャベツを少し摂るのみとし、極端に食物の摂取量を減らしていた。
それに加えて日々腹筋850回にスクワット300回、懸垂30回、そしてサウナに通い水分と脂肪を絞り切るという、ストイックの境地で身体を絞っていたのである。

体内に糖分が皆無の状態で栄養価が点滴クラスのポカリを口にした途端、ハイになったのはこの極度の節制が理由なのである。

そしてまたなぜ、上半身裸の写真を撮ることになったのか。もちろんそれにも理由がある。

これに関しては申し訳ないがただの記念である。去年身体をかなり絞って体型がスタイリッシュになったので、記念で撮っておこうと思ったのだ。そう、ただの記念撮影。そしてその写真をTシャツにしようと思いすぐに仲間の写真家、KNOCK OUT 中野に撮影を依頼したのが去年の11月半ばだった。

上半身裸の写真を撮る人間というのはかなり限られているはずだ。調べたことはないが恐らく全人類の1割にも満たないと思う。超自信過剰なアーティストやモデル、またはスポーツマン達がそれをやるのだろう。
【金勝山自信過剰Tシャツ】と名付け、必ず人々に勇気を与えると確信し、記念写真のTシャツ化を決行することを決めたのだ。

37歳のおっさんが裸で写真を撮ることはあまり聞かない。さらにそのおっさんの身体がバッキバキに仕上がっていたら見た人はテンション上がるっしょ?といつも通り、やると決めたら徹底的にやる俺はそれをやり切ると心に誓い、人々に勇気を与えるべく日々の節制とトレーニングに努めていったのであった。

去年の今頃、俺の体重は80kgくらいで体脂肪率は20%を超えていた。一度の食事で3人前くらいは食べていた。いつなんどき降ってくるかわからないチャンスを取りこぼさないよう常に頭を回し、体力がある状態をキープしていたのだ。

だが、MVの撮影が決まり、曲調的に金勝山がふっくらしてると説得力に欠けると判断し、ダイエットを決行。3月に減量を開始して7月には65kgまで持っていった。4ヶ月で15kgの減量はなかなかハードだった。住んでいる群馬の桐生市は全国で何度もNO.1の暑さを誇った去年、ほぼ毎日熱中症みたいな感じだった。意識が朦朧とする中、朝食を摂りながら眠ってしまい、食い終えてそのまま椅子で眠るみたいな夏の日々を送った。せっかく減量に成功したので、筋トレをしながら65kgをキープしようと思い、7月からは筋トレ、ランニングをしながら基礎的な筋肉は付けてきたのであった。

11月からはライブも増えて音楽活動に頭が切り替わり色々な発想が宙から降ってきたのだが、その中の一つがこの【金勝山自信過剰Tシャツ】であった。

昨日、撮影を終えてチキンステーキを食べているときはもう目は開かず、やり切ったという達成感と脱力でうまく歩くこともできなかった。家に帰りすぐ寝た、多分うなされてた。

金勝山はいったいどこへ向かっているのか?という問いは一旦伏せておく。今日俺はホームページに使う写真の撮影の為に池袋のスタジオに来ている。4年間勤めた会社のすぐ近くだった。毎日通っていた交差点の近くのドトールで、今ヒマを潰しているところだ。

あと1時間で撮影。その瞬間に全てをかける。ホームページを見た人に少しでも元気が出ればOK。そのためにこんなバカなことをしているのだ。自分でも俺は何をしてるのかなぁと思う。ただ金勝山みたいな奴はいない。だからこれは貫く意味がある。このバカな判断に付き合ってくれる熱き仲間もいる。幸せなことだ。

今日の撮影は18〜20時。池袋の駅内のクリスピークリームドーナツは21時まで営業。必ず買って帰るのだ。帰り道、すぐるくんの家に寄ってお菓子を食べて食べて食べる。1月いっぱいは禁酒も解いて、宙に浮くのだ。

ここ3.4日、スーパーやデパートのスイーツやお菓子売り場を徘徊してしまったり、熊谷駅のコージーコーナーでは、すいません見てるだけです。なんてことを店員の女の子に伝えて店を出る、なんてことをしているのだ。砂糖を解禁したら何を食べようかということしか頭になく、甘いものが食べたすぎて精神状態がやばい。とりあえず飲食については1週間くらい解き放って2月以降の金勝山の活力にすると決めているのだ。

【 2/2章 】へ続く

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