きっとうまくいく
「インド映画っていうと
どういうイメージ??」
「そうねえ
まず、カラフル」
「うん」
「それから、ダンス」
「あーそうね」
「それと、歌!!」
「うんうん」
「あと、人海戦術!!!」
「なによ、それ」
「だってインド映画って
がーっと人が一杯出てきてばーっと広がって
いきなり踊りだすってなイメージ強いんだもの」
「アハハ」
「今回もそうなの??」
「おかずです!」
「い、いきなりね!!
ずーこですっ!!」
「2人揃って~~~」
「ぱーぷーむーん~~!!!」
「ハイ、ってな訳で
今はハリウッドよりもボリウッドよって
GAGAさんも仰っておられます」
「まったくいきなりなんだから。
GAGAさんが??そうなの??
GAGAさん、お空からぴゅんと飛んでるだけじゃなかったのね?」
「トレンドセッターGAGAさんも認めるボリウッドパワー!!」
「そのインドで
歴代興行収入ナンバーワン全世界興収75億円とか聞けば
ほらほら
興味わいてくるでしょ??」
「あ!!!」
「なによ」
「インド映画で、もうひとつのイメージ」
「なに?
言ったんさい」
「主人公がおっさん!!」
「・・・あーた
ムトゥ躍るマハラジャの印象が
強すぎるんじゃないの?」
「だってええええ」
「でも今回ご紹介の「きっと、うまくいく」
この映画の主演
アーミル・カーンは、ほら」
「あら 」
「うっふっふっふっふ」
「・・・なに笑ってるのよ」
「この方
この映画撮影時
44歳でいらっしゃったそうよ」
「えええええ~~~~っ!!!!
やっぱ、おっさんじゃんっ!!!」
「アジア系は
若く見えるというのは定説。」
「にしても、この役一体幾つの設定なの?」
「・・・まあ
確かに44歳立派なおっさんだけどさ
大学生役違和感なく演じているんだから、あっぱれ!
いいじゃない」
「・・・・」
「いいでしょ??」
「・・・・いいけど。」
「いいのよ。小学生だって「何このおっさん?」って子はいるし
44歳だって大学生が似合う人はいるの。」
「そりゃそうかもだけどー」
「何よ、納得いかない顔ね。でも、それが現実。
飲み込みなさい。」
「・・・」
「飲み込むのよ。」
「・・・あたし、おちょぼ口だから~」
「〈無視して)さてこの物語
日の出の勢いで躍進する超難関理系大学ICEを舞台に、
繰り広げられるんだけれども」
「うん。インドの未来を担うエリート軍団を輩出する大学なのよね。」
「そうそう。そこに型破りな自由人のランチョー、
機械より動物好きなファルハーン、
なんでも神頼みの苦学生ラジューの“三バカトリオ"が、
鬼学長を激怒させ、丁々発止とやり合いながら
それぞれの人生を切り開いていくっていう、ね」
「ふ~ん」
「まず驚かされるのは
インドがもんのすごい
競争社会だってことね」
「それを言うなら
日本だってそうじゃない。
アメリカだって
どこだってそうだと思うけど?」
「うん。
まあそうなんだけどさ
生まれた瞬間に
「この子はエンジニアにする」
そうしてその競争社会を勝ち抜かせるんだって親が決めるほどの
決めちゃわなければ、やっていけないほどの競争社会って
あーた想像できる??」
「う~~~ん
そこまでは、ねえ~~」
「インドって、そういう現状らしいわよ。
ICEに入学しているって事なんだから順当に勝ち上がってきたはずの
ランチョー、ファルハーン、ラジューの3人って
日本だとさ「あーめでたしめでたし」って思うじゃん?」
「ま、思うわね」
「でもそうじゃないのよ。
入学してからも、また厳しい試験に次々パスしていかなくちゃいけないし
パスできなければ
落第とかさ
退校とかさ
そうなった時点で
「家族の期待」
「金持ちになって人生の勝者となる」って期待が
おしゃかになっちゃう訳。
つまり、入学したらしたで
ぶわわ~~~っていろ~~んなものがのしかかって
それぞれ背負っている訳で
ほんっと
そのプレッシャーがさあ~~
半端じゃないみたいなのよ」
「うう~~~重いのはあーたの体重だけで沢山よ~~」
「だからさ映画の中でも言っていたけど
学生の自殺者も多いんだって」
「えっ!!!」
「でさ、
この映画、そういう現在のインドの教育問題
ってか価値観だわよね
そういうものに対しても、問題提起しているっつうかさ」
「あら、じゃあ、啓蒙映画??」
「違う違う違う
あくまでも、エンターテイメント!
しかも良くできた、ね。
観てもらったら解るけど
内容は
青春ストーリーあり
人生物語であり
コメデイであり
ミステリーであり・・・」
「ミ、ミステリー??」
「そう。
ミステリー。
主人公ランチョーとは、そもそも一体何者だったのか???」
「へ~~~」
「10年後の彼らまで見せるから
た~~っぷり
170 分!!」
「あら」
「あたしはさ、無駄に長けりゃ
「もうっ!!!」って思うけどさ
この映画は
なんせよく練られているから
あれあれあれあれってな感じで
あっという間!!!
170分で
「あ~~~~~ごちそうさまでした!!」
って堪能感っていうかさ、ごちそうさま感があって。」
「へ~~~」
「これからちょっとおうちでゆっくり映画でも・・・って方には
ぜひ!とお薦めしたいわ」
「あーた的には、どういうところが良かったの?」
「え~~とね「真面目」って大事なことだと思うけれど、
真面目が過ぎて、笑うことや楽しむことを強ばって捉えたり、
俗を下方に捉えるなんてつまんな~~~~いつっまんない事よね~~って
そういうことを思わせてくれる映画だったこと!」
「ふむ」
「なんかさ
ベタといえばベタかもしれないけれども
とてつもなく深刻な時でも
笑わせてくれたり
くすぐらせてくれるものがある人生って、素晴らしいもんだと思うしさ
そういうのを与えてくれる人間が傍にいるってこともまた
ほんと幸せなことだし」
「それはそうね」
「あたしはラジューが瀕死の重傷を負っちゃって
それをみんなで「引き戻す」ための病室シーンで
泣けて泣けて」
「へ~・・・鬼の目にも涙?」
「なにっ!?」
「何も言ってませーん」
「・・・つまるところ
そういうものがいっぱい詰まった先に
「人生」ってのは、
「未来」ってのはあるってことだと思うの。
あ、そうそう
もちろんお約束の
歌、ダンスシーンもありま~す」
「あ、でも、なんか少ない気がしたー。
もっと観ていたかったもん
あたし。」
「あーるいずうぇ~る♪」
「あーるいずうぇ~る♪」
「あーるいずうぇ~る♪」
「あーるいずうぇ~る♪」
「ああ、ダメだわ
もう一度観たくなっちゃう」
「とにかくさ
長軸になると「こんなシーンいるか?」だったりするのに、
だれずにラストまで持っていく構成が見事。」
「スピルバーグが3回観たんですってよ」
「むむむむっ!!あのスピが??」
「ほら、対抗心むらむらさせないの。
無駄な競争しない!!」
「・・・だってえええええ」
「そうそう
眼鏡美女も出てくるわよ」
「・・・な~~んか彼女
誰かに似てるんだよなあ~~~」
「そう??」
「誰だろう・・・う~~む」
「まあ、誰に似ているかは
置いておいても」
「う~~~~む」
「・・・・・」
「う~~~~~~~む」
「・・・とにかくお薦め!
これを観たら貴方も
「きっとうまく、いく」!!!」
「・・・う~~~~~~~~む」
「・・・・・ねえ、もういい加減、諦めたら~??」
「・・・ひょっとしてあたしに似てた??」
「・・・眼鏡作り直しなさいッ!!」
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