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脱兎

月灯りを辿るように夜道を歩いていた。
背後でダズンと音がなる。
振り返ると一羽の兎が倒れていた。
兎は立ち上がると月を見上げた。
ああ、なるほど。
少し我慢だ、と私は兎の耳を掴み月に向かって投げた。
勢い余って月にぶつかった。
月が回り始める。
私は踊り続けた。

僕の言葉が君の人生に入り込んだなら評価してくれ