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恋慕

去り際の口づけ
君の頬は薄紅に染まる
彼の背を見送り
目を閉じる

それを合図に人の火が灯っていく

我の出番と鈴の歌
競うような蝉の声
肌を撫ぜる温い風
歩みの度に揺れる髪
拙い喧騒をくぐり抜け
潮の香りを追いかける
取り残された海の底
あてのない足取りに体が泳ぐ
貝殻擦る靴の底
目を閉じ潜る胸の内
手探り掴む我が恋慕
飲むや放るや留めるや否や
頭上で嗤う朧月


僕の言葉が君の人生に入り込んだなら評価してくれ