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ポエムハラスメント

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#ポエム

詠い給えと我が云う

ライ麦の 高く茂るその季節 穂先を揺らす緩い風 その背の高さに身を隠し 口付け交わす少年少女…

蛇眼

ガラス越しの動物に彼が云う 退化した四肢を指差し 蛇行ながらに進む姿は蛇そのそのではないか…

流転に舞う

大地に深く眠りを預けていた龍を不意に起こしてしまった 私はその対価として心の臓器を奪われ…

愛の選択

空天地 誰を愛でるか 雪月花

羊と狼

‪羊の群れの中に狼が紛れ込んでいる‬ ‪羊達は彼を仲間だと思い、日々を共に過ごす‬ ‪羊に…

雨うつつ

硝子窓を伝う雨の重さ 硝子が溶け出している 私の視線は偽りをとらえている 街灯の光が模した…

或る娘

傷口にすり込むストロベリイ。 私にも可愛らしい果肉が欲しいの。 錯乱抑える双子のチェリイ。 同じ仕草でくちづけするの。 脆弱に鍵を掛けるシェリイ。 曖昧な記憶で明日へ向かうの。 繰り返されるデッドリイ。 それでも生きてるの。

殺意

散文的大量殺人と韻文的密室殺人

恋は人を狂わすのに特化している よく云われているが病に近い状態である もう要らないと望んで…

窺い

夕刻。風が群青を引き連れてくる。 私はそこを水に濡れた指で擦る。 橙と群青の境を幾度も幾度…

宛名のない手紙

この手紙を読んでいるあなたの空には雨が降っていますか。 今、手紙を書いている私の上空から…

鏡面

お前は鏡に繋がれている 世界との境界を鏡に見出している ただ一心に笑った記憶が思い出せまい…

追走

我が名を呼ぶものは過去。 置き去りにした筈の記憶。 距離は広がるばかりだが私は恐れている。…

本音

君の云う『知らない』は 『要らない』に聞こえた