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ライ麦の 高く茂るその季節 穂先を揺らす緩い風 その背の高さに身を隠し 口付け交わす少年少女…
去り際の太陽は十字を翳す。 稜線のなだらかな弧に残る焔。 世界を等分する耀き。 視覚は四つ…
傷口にすり込むストロベリイ。 私にも可愛らしい果肉が欲しいの。 錯乱抑える双子のチェリイ。…
恋は人を狂わすのに特化している よく云われているが病に近い状態である もう要らないと望んで…
夕刻。風が群青を引き連れてくる。 私はそこを水に濡れた指で擦る。 橙と群青の境を幾度も幾度…
誰かを引っ掻いて割れてしまった爪を隠すように拳を握る。 見たくないのは相手の傷痕ではない…
この手紙を読んでいるあなたの空には雨が降っていますか。 今、手紙を書いている私の上空からは冷たい雨が降っています。 風はないので真っ直ぐに落ちてきます。 この手紙は誰にも届かないので、雨が降り止むことはありません。 宛名が架ける虹の橋。 #宛名のない手紙
宇宙について語るとき 私達は宇宙を損なう 言葉で限り 視界で区切り イメージで圧縮 魚を水槽…
何から逃れたいのだ。 目を背けたいものとは。 嫌悪の対象とは。 憎しみの矛先は。 打ち鳴らせ…
目映い陽光に手を翳す。 その庇の影から覗く緑の煌めき。 言葉を持たぬ。 住処を持たぬ。 形を…
愛してると麻痺してるは似てる
お前は鏡に繋がれている 世界との境界を鏡に見出している ただ一心に笑った記憶が思い出せまい…
我が名を呼ぶものは過去。 置き去りにした筈の記憶。 距離は広がるばかりだが私は恐れている。…
風同士が喧嘩をすればこうなる