見出し画像

ヒップホップのフォーマットは結局無い①

そんな訳で(どんな訳だ)前回tapeをリリースする理由なんて事を書いたのだが、しんみりしている場合では無いしアレは切っ掛けにしか過ぎない。

90年代後半から00年代初頭にかけてmixtapeはやはり新譜を沢山mixする、あるいはクラブで人気のある曲をmixする等「mix」と言う物に作り手の方はこだわったのでは無かろうか。
かく言う自分もmixやeditにこだわって作っていたし、当時の新譜mixも多く作ってリリースした。00年代に入ってから作成したmixの一部をmixcloudにもアップしているので聴いて欲しい。
世代により、懐かしいと感じるかたもいると思うし、イントロからエディットで凝り過ぎててピンと来ないと思われるかたもいると思う

と言った様に、2枚掛けとスクラッチと編集で新譜をつないで行く感じで作成していた訳だが
現代のHIPHOPにおけるmixtapeは様相がちがう、これはヒップホップのDJmixを聴くと言うより、ラップの歌詞を聴く方向にリスナーが行ったからだと言う説をどこかで聞いた事がある他、配信が盛んになるにつれ、楽曲をスキップされてしまわない様に1曲が1分半~2分位で完結する物も多く、それ故にmixしてしまうより全部聴ける様に効果音等を曲間に入れてmixして行くスタイルが主流となって行ったと言う見方もある。
また、多くのmixがアルバムの配信リリースより先に出て、ダイジェストでも無く、2枚掛けや編集等が入る訳でも無く、丸々アルバムごと聴かせてるのでは?と言うケースも多く見受けられる、かと言ってその様なmixの中にはビートジャックもまだあるし、それはそれで新譜として完結している物もある。ビートジャックが新譜mixとかなり近しい所、あるいは同じmixtapeと言うジャンルの中で時間をかけてmixtapeの別世界線を作っているのかも知れない。
とにかくmixでアルバムを全部聴いていても、配信でも聴くと言う流れが出来ている様に思うし、むしろmixtapeで先に試聴みたいな事が出来ない物は取っつきにくい感じすらある、かく言う自分もそう言う所がある
これらは諸説あったり、そう言ったmixばかりでは無い事も重々承知して、一部のヒップホップのトレンドや潮流を見て自分で感じた事を書いているに過ぎないんだけども、mixtapeは以前の様にがっちりmixの匠を見せると言う物では無くなっていると言うのは事実だ。
そう言えば昔street albumとか、street mixとか言われた物でザックリ新トラックで新曲的な音源やライブ音源、あるいはビートジャックでリリックを披露すると言うアーティストもいたなーと考えると、10年代に入って早い段階で既にそう言った流れもあったのだと思うし、その辺からmixtapeと言うスタイルでアルバムボリュームの音源を、ネット配信でリリースすると言う物がヒップホップの新しいリリースフォーマットになったのかも知れない
※資料を揃えて書いてる訳では無く、自分が過去にmixtapeを盛んにリリースしてしばらく経ってから再度mixtapeをリリースするに当たり、後追いで色々なヒップホップを聴いたり様々な角度から話を聞いたりした肌感なので、正確なデータベースを元に書いているんじゃないと言うのは記載しときます
(つづく)