良い姿勢になるためには背骨の分節性が大切
「良い姿勢をしてしまう」と身体に悪い?
みなさんは良い姿勢とはどのような姿勢だと思いますか?
多くの方は、「背筋がまっすぐ伸びた姿勢」というイメージを持つのではないでしょうか?
これは一部は正解で、確かに背筋がまっすぐの姿勢は、身体のバランスの面から見ても、理にかなっていますし、身体にかかる負担も分散させる姿勢だと思います。
そう言った意味では、背筋がまっすぐな状態とはある意味理想的な姿勢であり、みなさんもイメージしやすいと思います。
ですが、私たちの身体は常に動いていて、動きながらバランスを取っているということを知らない方は多いのではないでしょうか?
私たちの身体は、目に見える範囲から目に見えない範囲まで様々ですが、常に動きながらバランスを取っています。
そのため、少し前の姿勢と今の姿勢は、似ていますが、微妙に異なっています。
そのため、良い姿勢をしようとして、背筋をまっすぐに伸ばしても、バランスを取るための身体が硬いと、その姿勢のまま固めてしまうような反応が起こり、身体にとってマイナスになります。
では、良い姿勢になるためには、何が必要なのでしょうか。
それが今回お伝えする、「背骨の分節性」です。
この背骨の分節性が保たれていると、バランスを取るための背骨の動きが柔軟になり、負担なく良い姿勢を保持することができます。
さらに、一見すると猫背や反り腰のような姿勢の偏りがあっても、背骨の分節性が保たれていれば、バランスを取る際の身体の動きは柔軟に保たれるため、身体の不調が起こりにくいと言えます。
今回の内容では、そんな背骨の分節性について、簡単に解説して、さらに自宅でできる背骨の分節性を高めるエクササイズも紹介します。
「良い姿勢と言われるのに腰や肩が痛い」という方は是非参考にしてみてください。
良い姿勢になるために必要な要素「背骨の分節性」とは?
背骨とは、首から腰にかけて24個の小さな骨で形成されています。
骨盤にある仙骨も含めるとさらに多くの骨が背骨を形成しています。
一つの背骨のことを解剖学では「脊椎」と呼びます。
分節性とはつまり、一つ一つの脊椎が独立して動く状態を指します。
要するに背骨は一本の棒のような物ではなく、鎖のようにユラユラと動くような物だとイメージしていただければ良いかと思います。
なぜ脊椎の分節性が良い姿勢になるために重要なのか。
先ほども簡単に説明しましたが、私たちの身体は常に動きながらバランスを取っています。
そのとき脊椎の分節性が不十分な場合、前後左右のふらつきに対して同時に一つの塊で身体が動いてしまうことになり、一つ一つの動きが大きく、そしてぎこちない動きになってしまいます。
動きが大きくなるということは、動かすために必要な筋肉も増えますし、塊になって動くということは、逆に動かされる関節の負担は一箇所に集中してしまいます。
結果として、脊椎の分節性が足りない人が良い姿勢をしようとしてしまうと、筋肉や関節の負担が強まり、身体の痛みや不調を引き起こす可能性があります。
反対に脊椎の分節性が保たれている場合は、前後左右のふらつきに対しても、一つ一つの脊椎が少しずつ動くことでバランスを保てるため、一箇所の筋肉や関節に負担が集中することを防ぐことができます。
さらにいわゆる不良姿勢と呼ばれる、「猫背」や「反り腰」などの場合でも、脊椎の分節性が保たれている場合は、身体にかかる負担に対して、脊椎が少しずつ負担を分散してくれるため、身体の不調など感じにくいことが考えられます。
私たちは「姿勢が悪いから〇〇」ということを自然と使ってしまいがちですが、脊椎の分節性から姿勢を考えた場合、必ずしも姿勢の悪さが不調につながるわけではないことがわかりますね。
キネスティックセラピーでは、脊椎の分節性の改善のためにローリングという技術を用いて施術を行いますが、セルフケアとして行う場合やトレーニングで分節性を高めるためにはまた別の方法を用いる必要があります。
それを最後にお伝えします。
背骨の分節性を促すエクササイズ
背骨の分節性を高めるためには、意識的に脊椎を一つずつ動かしていく感覚を養うことが需要です。
今回はそれをお尻上げのエクササイズで確認していきたいと思います。
【脊椎の分節性を意識したお尻あげ(ヒップアップ)の方法】
開始姿勢は仰向けで、両方の膝を立てた状態にしておきます。
その姿勢からゆっくりとお尻から腰、背中の順番に床から離していきましょう。
背中まで床から離れたら、次は背中から腰、お尻の順番にゆっくり降ろしていきます。
始めは、ざっくり「お尻」「腰」「背中」など一括りにして、各部位が順番に上がることを意識してください。
慣れてきたら次は、脊椎に意識を向けて、1つずつの脊椎が順番に床から離れる、順番に床につけることを意識しながら進めていきましょう。
脊椎の中でも腰に当たる骨は5個、背中に当たる骨は12個あります。
最初はイメージで構いませんので、「1、2、3、、、」と数を数えながら動かしてみるといいと思います。
注意点は呼吸を止めないことです。
お尻を上げるときに腰を反らせてしまうと、脊椎が順番に床から離れなくなってしまいますので、腰が反りすぎないように注意しましょう。
※腰や背中に現在治療中の怪我や病気がある場合、背骨に手術歴がある場合などはかかりつけ医に相談、もしくは専門家の指導のもと行うようにしましょう。
自然な良い姿勢になるために背骨を動かしましょう!
今回は良い姿勢になるために必要な要素である、脊椎の分節性について解説しました。
背骨の分節性の改善は、キネスティックセラピーでも重要な要素となっていて、施術の根本的な部分に当たります。
ここで全てを紹介できていませんが、少しでも良い姿勢になるための参考になれば幸いです。
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