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日本のバンドKINEMAS、韓国へ。 第1回(全6回)

キネマズは毎年、1ヶ国ずつライブに行ける国が増えて行ったらいいなと思っていて、2019年のテーマが「韓国」でした。結果今年、2月・5月・12月の、計3回行きました。結論から言うと、韓国はとても楽しかったし、好きになったし、行ってよかったです。でも、5月までの時点では「韓国楽しかった~」(当時のブログ)とは発信できても、奥底の心情までは吐露できませんでした。3回通った今、ようやく胸のつかえが取れて発信できるようになったので、ここに記録として総括したいと思います。韓国に興味のある方へ、参考になれば幸いです。*滞在しているはほぼ弘大(ホンデ・ソウルの中の1つのエリア)です。


2019年2月「韓国ツアー vol.0」

元々学生時代を日本で過ごしていた、所謂「在日韓国人」であるカン君という後輩がいまして、彼が韓国の大学へ進学していたことから、2018年の後半あたりに彼にコンタクトをとりました。韓国でライブがしたい、と。ただ、彼も名古屋のライブハウスで弾き語りなどはしていたものの、韓国のライブハウスで活動しているというわけではなかったので、ライブハウスについては日本で僕がリサーチして「ここに連絡してほしい」とお願いしました。それが「CLUB BBANG(クラブ パン)」です。ググればすぐに出てきますが、ソウルのホンデという、学生街のようなエリアにある老舗ライブハウスで、若手バンドの登竜門的な存在だったそうです。カンくんと僕がそれぞれメールを送り、返事をもらうようになったものの、途中で途切れてしまいました。なので、直接BBANGに行って直談判することにしました。それが2月の初渡韓です。なので「vol.0」と表記しています。

ライブハウスに行く日、カン君は友達と旅行の予定だというので、事前に資料と「ここでライブがしたいです」というような内容をカンくんに翻訳してもらい、それを書いた2枚の紙を用意しました。当然初めての韓国で、韓国語など「アニョハセヨ」と「サランヘヨ」しか知らない僕は、直接お会いしても説明できるかどうか不安だったので、とりあえず現地へ行って、後は紙を見せれば伝わるであろう、という状態にしておきました。結果、カン君が帳尻を合わせてくれたのか、韓国に到着した日には僕に同行できるような予定に変更してくれたのですが。

名古屋から仁川空港へ。およそ2時間のフライトです。当時航空会社がセールをやっていて、それがあって行くことを決めたので、往復1万6千円くらいだったと記憶しています。演奏しないので荷物も少ないですしね。空港からライブハウスがあるホンデというエリアまでは、空港から出ている一般電車を使います。片道約50分で400円くらい。宿は「キムチシンチョンゲストハウス」という、如何にも韓国!な名前のゲストハウスが、その時は一泊約900円でした。二段ベッドが並んでいる部屋の内の一つをお借りする感じです。同部屋は僕以外みんな中国人のようでした。予約サイトに「ロッカーにかける南京錠は持参してください。」という注意書きがあったので、日本からダイヤル式南京錠を100均で購入していきました。普段のバンドのツアーは大人数なので部屋を借りてますので、荷物が不安だな・・・と多少思いましたが、特にトラブルは無かったです。


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ホンデで無事カン君と合流し、さっそくライブハウスへ。あとから思えば、たまたまその日はカウンターに店長さんがいて幸運でした。入ると普通に韓国のバンドがライブをしていたので、まずはお客さんとしてチケットを買ってみることに。15000W、つまり約1500円でドリンク付でした。日本と比べると安いです。一組の演奏を観た後、転換中に店長に話しかけることに。用意した紙を見せて、その後はカン君が全部話してくれました。「わざわざそのために日本から来たの!?」と店長も驚いていました。

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色々話を聞いていくと、「今でもたまに日本から来るバンドを迎え入れることはあるけど、今は(日本とか韓国とか関係なく)ライブ自体にあんまりお客さんが入らないので、その中でわざわざ来てもらうのは申し訳ない。」と言うようなことを仰っていました。でも、それでも良ければうちでライブできるよ!とのことだったので、是非よろしくお願いします!と無事挨拶と約束ができました。ライブハウスの中で、おそらく地元のバンドのCDの販売も行っていて、そこにKINEMAS「Inori」も取り扱ってくれることになりました。できればCDもどこかで取り扱ってもらえないかな・・・と思って数枚持って行っていたので、目的が2つ同時に達成されてとても嬉しかったです。


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その後、一旦飯行こう、と二人で「ポッサム」という豚肉料理を。これめちゃくちゃ美味い。更に韓国ではソジュ(焼酎) と メッチュ(ビール)をMIXして飲む「ソメック」という飲み方があるらしく、それを作ってもらいました。ソジュの部分はチャミスルでした(チャミスルとビールのMIX)。これも美味い。カン君曰く「韓国の若者はみんなこれを飲んでるんです。美味いから飲んでいるわけじゃなく、酒がこれしかないんです。」と言ってました。本当かよ(笑)。チャミスルも、日本で買うと1本600円くらいするけど、韓国だと200~300円くらいという感じでした。(この辺の様子も含め、Instagramのストーリーズにまとめてあるのでお暇な方そちらもご覧ください。)


実はこの前にもう一件ライブハウスに電話していて「20時に来てください」と言われていたので、20時にそのライブハウスへ。が、明かりがついておらず、人気も無し。再度電話しても誰も出ない・・・。さっき電話して話したばかりなのに。隣のバーに入り、飲みながら少し待ってみたものの、やはり誰も来ませんでした。せっかくBBANGと良い話ができたのに、残念な気持ちになりました。その他にも、事前に日本で調べておいたライブハウスの住所に行ってみたのですが、軒並み無くなっていました。特にホンデは、流行り廃りの移り変わりも早いらしいです。

気を取り直し、日本でいう居酒屋的な店で飲みなおすことに。カン君の先輩(在日韓国人の方)が合流したいと言ってくれて、一緒に飲みに行くことに。日本の話、韓国の話と色々しながら、やっぱり僕としては気になる兵役の話まで。話していて思ったのは、在日韓国人同士の絆ってとても強いんだなと。僕からすると韓国語ペラペラに見えるけど、日本で育って日本の生活が長い人は、現地で生まれ育った人と比べると韓国語力に差があるらしいです。当たり前と言えば当たり前か。国籍は韓国だけど、育った国は日本。そのギャップは、僕らには到底想像のつかない、とても深いものを感じました。あと、韓国は先輩が絶対!という年功序列への意識がとても強いらしく、テーブルを囲む中で、つがれたお酒はまず最年長の僕が口をつけないと他の人が呑めないというルール。本気でやっているのか茶化されているのかは不明でしたが(笑)、滞在中大体そのルールでした。でも、ただ先輩が暴君のように振る舞うわけではなく、その分後輩への情も厚いとのこと。「韓国に来た時は嫌だなと思うこともあったけど、最近は韓国のほうが良いところもあるなと思うんです。日本と韓国、足して2で割ってくれたら最高なんですけどね。」カン君の言葉が頭に残っています。

(第2回へ続く)


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