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備忘録240206

2022年から2023年まではひたすらに忙しかった。曲もほとんど書いてないし、音楽的な忙しさというよりはお店(NOZOMI YA・ライブバー)やYAGURA(主催キャンプフェス)の忙しさで、SNS(主にインスタ)では自分が作った音楽のことよりも店やYAGURAに関する投稿が多かった。

これじゃ元も子もないと、2023年の暮れに、一部の仕事のやり方を一新した。店にも・音楽の制作業務(楽曲制作を年間100~受注している)にも、人を増やした。

人を増やすと勿論自分の取り分は減るのだけど、その分ゆったりした時間は増えた。具体的に何分・何時間増えた、ということよりも、納期やその他諸々に追われ続けているという、精神的な負担が減ったことが大きかった。

店をはじめて、初めてわかった。他人と雇うということの意味。誰かにギャラを払って、その分働いてもらうこと言うことが、どれほど大きな意味を持つか。

これまでも勿論、レコーディングエンジニアや映像クリエイターにギャラを払って制作を依頼することや、レンタルスタジオにギャラを払って機材を借りる、などということは日常的にあった。でもそれはとても専門的な事。

世の中は専門職ばかりではなくて、例えばコンビニのレジやファミレスの店員、駐車場の受付等々。世の中には、何かの資格や、数年の実績があるからスタートできる仕事ばかりではない。そもそもそのようなもの(専門職)でしか仕事を得られないとなると、仕事に就けない人ばかりが増えて社会が破綻する。

NOZOMI YAのカウンタースタッフや、音源の制作仕事の受付業務などは、専門的な知識がなくてもスタートはできる。もちろん他の全ての仕事と同様に、入ったら覚えたり学んだりすることは沢山ありますが。

今では毎月10人くらいの人に、ギャラを払って仕事をお願いしている。元々知っていた人も、この仕事を機に知った人もいるわけだけど、各々の関わり方の深度と、それぞれの金銭以外の社会的なリターン(他に表現したいことを実現するために必要な経験や出会いなど)がマッチしている気がして、思い切ってやってみてよかったなと思う。

大きなものを創りたい、は YAGURA で
思いっきり汗かいてみんなで歌いたい、は KINEMAS で
カッコいいものや美しいものを表現したい、は KINEMASbeatnik で
これまで受けてきた様々な恩を返していこう、が NOZOMI YA と
それぞれの立ち位置が明確になってきた。

自分が不器用だからか、どれか一つで全てを成すのは難しく悩んだ時期もあったけど、スタンスを少しずつわけておくことで、前よりは生き方が明確になった気がする。これからも少しずつ変化していくだろうけど、循環の円を描いて、できるだけみんなが楽しく関われるようにしていきたい。

これまでは「40代で音楽活動も閉店だな」と思っていたけど、スタンスをわけていったことで、もっと長く楽しめるのではないかと思えてきた。まだ先ではあるが、50代の自分が思う存分やりたいことをやるための蓄積を、今から準備するべきじゃないかと。

というのも、30代の頃は明確に、40代の下積み的な意識で動いていた。それは、もし自分の音楽活動が花開くとしたら、おそらく40代だろう、と。20代の頃になんとなく目星をつけていたから。

言いたいことややりたいことに対して、圧倒的に経験が足りてない。と27歳くらいの時に感じた。が、本を読んだり映画を観たり・・・みたいな知識や感性の膨らませ方は自分には向いてないと思っていたので、そうなるともう自分で色々経験するしかない、と。

それを動機に、30代は特に色々チャレンジしてみた。全国弾き語り100本ツアーもその時にはじめた(1年半かかった)。そもそも自分は、精神的にとても未熟で弱かった。今思うと信じられないくらい失敗していたし、恥もかいてた。

それを思うと、今の20代の人達は大変だなと思う。ネット社会過ぎて、センス求められたりそれを評価されたり、更にフォローフォロワー数など目に見える形で数値化されたりで、恥かいたり失敗したりが難しくなってる気がする。

だからたまに、メンタルやられて・・・という話を聞くと逆にほっとする。20代でLINEやSNSやってません、って人にもたまに会うけど、気持ちわかるな。自分がもし今の20代だったらとっくにメンタルやられてたよ。

まあでも、経験上、派手に恥かいたり嫌われたりしたほうが、成長するんだよな。どうしてそうなったんだろう、どうしてそう思ったんだろう、みたいなことは勿論沢山考えないといけないし、それはとても辛いことだけど。

社会のルールと、人間のルールと、自分のルール が完全に一致することはない。絶対ちょっとずつずれるから(たまにめちゃくちゃずれてる人もいるけど笑)。それが許せなかったり、それで自分や他人を責めたりしてるのを見ると、もうどうしていいかわからないんだろうなって思う。

他人を許容するということは、まずその痛みを想像するところから。それには、死ぬほど傷ついてみたほうが手っ取り早い、ってこともある(ハンターハンターで、ゴンとキルアが念を習得する時のやつですね)。そんな極端な物事じゃなくても、その人それぞれに合った出来事が、自然と目の前に現れるものなんだと思います。

自分の意志や価値観を通すということは、受け取り手によっては毒にも薬にもなる。好かれることもあれば嫌われることもある。自分は、その腹を括るのに10年くらいかかったと思う。そのための準備が30代だったような気がする。

なんせ、このスーパー時短社会もわからんでもないけど、人間の成長には時間がかかるよ。稀に時間かからない人(orかかってないように見せるのが上手い人)もいるけど、時間がかかった側の人間からすると、そんなの怖くて仕方ない。頭でわかっていてもすぐにはできないことが、世の中には沢山ある。

ゆっくりでいい、大丈夫。今日何もやれなかったとしても、命までとられない。そもそも現代人の、やれる時にやってることの精度や速度、みんなすごいから。その分多少昔よりだらだらしても大丈夫やろ。と思います。


と、なんとなく最近思っていることをひたすらに書いた。これも自分のデトックスだと思うし、それができるようになったのも仕事を割り振ったからだ。めちゃくちゃ助かっている。みなさん本当いつもありがとう。

時間ができたついで・・・じゃないけど、呑みに行くことも少し増えた気がするし、KINEMASの曲を書いたり、止まっていたレコーディングも再開してみた。来年10周年だからKINEMAS。何かしら音源出したい。

自分にとって音楽は、唯一自分を遠くに連れて行ってくれるもの。だからどうしても自分で作る必要がある。曲作りは年々難しくなってるが、背負わず気楽にやってみたいと思います。



【YAGURA】
名古屋・京都・東京・兵庫(ハチ北)に在住のメンバーから成るバンド「KINEMAS」主催のキャンプフェス。2021年より、岐阜県高山市・荘川(しょうかわ)「一色の森キャンプ場」にて毎年開催。今年4年目。2024年10月12日(土曜)・13日(日曜)開催。(11日(金曜)に前夜祭計画中)


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