バグダッド・カフェ(1987)

アメリカ西部の砂漠に佇む寂れたモーテル「バグダッド・カフェ」に集う人々の交流を描いたヒューマンドラマ。ドイツから夫と共にアメリカ旅行に来たジャスミンは、夫婦ゲンカの末に1人で車を降り、モハーベ砂漠にあるモーテル兼カフェ「バグダッド・カフェ」にたどり着く。バグダッド・カフェには不機嫌な女主人ブレンダら一癖も二癖もある人々が集い、いつも気だるいムードが漂っていた。しかしジャスミンの出現により、彼らの心は次第に癒やされていく。

これも大好きな映画です。

ミニシアター系と言うんでしょうか、こうゆう感じの映画が流行った頃。ミニシアター系でもかなり有名な作品なんじゃないかと思います。

好きな人も多い気がします。

私が観たのは10代の頃で内容は今ほどしっかり分からなくても、見終わった後の心地よさで何度もcalling you を聞いていました。

それから何度か観ていますが、何度観ても　スッキリとした気持ちのいい気分になれます(○´∀｀○)

甘すぎないソーダ水ってイメージ。

(映画のおもしろさには、自分の経験が変わるごとに観た時の受け取り方が変わっていくことが一つにあるんじゃないかなと思います。　映画に限らずかもしれませんが。)

そして　遠くへ抜けるような高音が印象的なcalling you も乾燥した暑い空気感と重なって心地いい。

暑い中、トボトボ歩くジャスミン。

この女優さんの豊満な感じが魅力的。

バグダッドカフェのオーナー、ブレンダ。

ジャスミンは汗を、ブレンダは涙をふいて。

ブレンダ、のんびり屋の旦那にいつも怒ってしまい遂に旦那は出て行ってしまっている状態。　そんな中、子供たちは好き放題だし、砂漠を女一人で歩いてやってきた謎の旅行者は不気味だしで終始ピリピリしています。

それを旦那は離れた所から双眼鏡で見守って嘆くだけ(^_^;)

カフェには近くに住んだりモーテルに住んだりしてる家族のような人達もいて何気に賑やかそう。

コックスさん。

いつも穏やかダンディなアーティスト。

女彫り師デビー姉さん。

ジャスミンは数日間泊まるうちに、少しずつブレンダ以外の住人と親しくなっていくんですが、ブレンダはなかなか不信感が消えない様子。

でも　ある一言で二人の関係は一気に変わっていきます。

ここの場面は人との心の通わせ方を凄く分かりやすく描いているように感じます。

それぞれのほんの少しの痛みに気付いてあげられた時に、自分の痛みにも向き合うことが出来るのかも。その逆だとしても。

この映画も凄くドラマチックな事って起きてなくて、会話や日常的な事がほとんどなんだけど、不思議とスゴく気持ちがスーっとするんですよね。

真夏の夕暮れ、オレンジ色の景色、扇風機から流れる蒸した風、グラスのソーダ水。

そんな情景と重なるような映画です。