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はじめまして、映画体験の話をします

はじめまして。
はじめての執筆になるので、まずは簡単に自己紹介をします。

三上マナです。
産まれは広島で、大学卒業まで大阪で育ちました。
社会に出てからは三重、愛知、静岡、富山などを転々として、そして現在、東京で暮らしています。
趣味である映画鑑賞を楽しみながら、フリーの役者として活動しています。
どうぞよろしくお願いします。

映画鑑賞数は、年間でおよそ200本ほど。
特に映画館で映画を観ることが大好きです。

映画鑑賞を趣味にし始めたのは、社会に出てからです。
それ以前から映画のことは好きでしたが、時間を惜しまずに熱狂するほど好きなんだと自覚したのは、大人になってからでした。

私の両親は、小さなときからたくさんの映画に触れる機会を作ってくれました。
いまは懐かしい日曜洋画劇場やゴールデン洋画劇場、金曜ロードショーなどテレビで流れる名画は必ず録画して家族そろって観ていましたし、家にはたくさんのディズニー作品やジブリ作品のビデオテープがあり、映画館にもよく連れて行ってくれました。
それらの体験は、ごく自然に私が映画を愛する基盤を作ってくれたと思います。

幼少期の映画体験の中で、いまでも覚えているのは、2001年に、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」を家族で映画館まで観に行ったときのことです。

「千と千尋の神隠し」はその年の第75回アカデミー賞で長編アニメーション賞を受賞し、2020年に「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」が記録を塗り替えるまで当時の日本歴代興行収入第1位を記録し続けた、言わずと知れた名作です。

当時小学生だった私にとっても、とても衝撃的な作品で、子どもながらにその物語の深さ、画の美しさ、印象的なセリフの数々に心打たれたのをよく覚えています。
エンドロールに流れる 木村弓さんの 「いつも何度でも」を聞きながら、こう思いました。

ああ、もう一度観たいなあ。

生涯で映画を観てきた中でおそらく初めての感想だったと思います。

「ああ、もう一度みたいなあ。いますぐ、ビデオが出ないかなあ。そうしたら、ずっと繰り返し観られるのに」

当時はDVDが家庭に普及しだすちょうど境目の時期、子どもの私にとってはビデオテープのほうが馴染みがありました。
そんなことを思いながら座席を立った時、横の両親の顔を見上げると、二人とも大満足と言わんばかりの笑顔を浮かべています。感受性の豊かな母は涙まで浮かべていました。それは予想通りの反応でもありました。
でも、次に父が言った言葉には驚きました。

「よし、もう一回観よう!」

えっ!と声を上げたのを覚えています。母も賛同するようにうなずいて、シアターを出た後、二人してもう一度チケットカウンターに一目散に歩いていく様を、あっけにとられながら見ていました。
そうして、私たち家族は一日のうちに2回、「千と千尋の神隠し」を観ることになったのです。
映画館で、一日に同じ映画をもう一度見ていいなんて、子どもの私には思いつかなかったことでした。両親と映画館に行く中で初めての事態に、心が躍ったのを覚えています。

そうか、いいんだな。何度観ても。

真っ暗になった劇場内、大きなスクリーンに映し出される光と、大きなスピーカーから聞こえてくる音楽に浸りながら、「何度だって味わっていいのか、この感動を」という閃きのような考えを何度も繰り返し思っていました。

実際、「千と千尋の神隠し」はその価値があるほど面白い映画だったし、きっとあの日の劇場で、私たち家族と同じように2回観に行った方もいたでしょう。
家庭用にビデオやDVDになったり、テレビ放映されるまでに期間があったあの頃は、劇場で観られるうちに観ておくことが、最もその映画の世界に触れられる方法でした。だからこそ、両親はこの感動を忘れないように、もう一枚チケットを買ってくれたんだと思います。

大人になってその話を家族ですると、そんなこともあったね、とよく笑いの種になります。両親は、「(私が)とてもうれしそうだったね」、とかいいますが、私からすれば、両親のほうがずっと楽しんでいたように思います。

とにもかくにも、私はそんな両親を見て育ちました。
私が今でも映画館に通うことが好きなのは、二人の影響なくしてはありえなかったと確信しています。
両親の映画好きがうかがえるエピソードはまだまだあるのですが、それはまた別の機会にしようと思います。

そんなこんなで、私の映画体験の話でした。
なんだかんだ、私は自分自身のことを語ろうとするとき、映画と切り離すことができないんだな、と書いてて思いました。
このあとも、映画にまつわる話とか、最近見た映画の感想とかをほそぼそと、のんびり発信していけたらいいな、と思っています。

それでは、今日のところはこのあたりで。
おおきに。

#映画にまつわる思い出

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