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「1か月健診で『心雑音があります』と言われ、大学病院を紹介されました。心臓の病気でしょうか?」

皆様こんにちは。今回のすくナビの担当は、心臓疾患担当の丸谷怜です。

今回は“教えて!近大先生~心雑音編”です。小児科の外来でよくいただくご質問にお答えするシリーズです。

今回のご質問です。

「1か月健診で『心雑音があります』と言われ、大学病院を紹介されました。心臓の病気でしょうか?」


心雑音」と言われると「心臓の病気かも」と心配になりますよね。
早速ですが、回答からいうと、

「心雑音」=「何らかの心臓の病気」かというと、そうでもありません。

ここからはこの回答をもとに解説していきます。

「心音」というのは聴診器で聞いた時に、心臓の中の弁が閉まるときに聞こえる音です。「正常な心音」として聞こえる音は決まっていて、それ以外に聞こえる音は何でも「心雑音」とします。

心臓の図

心雑音の原因は様々で、病気でないものもあります。
例えば、

・血液の通り道に狭いところがあって、血液の流れが鉄砲水のように速くなったところで音が聞こえる。

・何も異常はないけど元気に心臓が動いているから余計な音が聞こえる。

あるいは、心臓以外の病気が原因のこともあります。貧血があるときや甲状腺機能亢進症では心臓自体に異常が無くても心雑音が聞かれることがあります。
もちろん心臓の病気ということもあります。代表的なものは、
・心臓の中に穴が開いている
・弁の開きが悪い
・血管が病的に狭くて血液の通り道が狭くなってしまう
などです。

では、紹介されて大学病院を受診したらどんな検査をするのでしょうか。
実は、紹介されて受診まで少し期間が開くと、その間に心雑音が聞こえなくなっていることもよくあります。でも心雑音がどのようなものだったかはそのとき聞いた医師にしかわからないもので、今は聞こえないから異常なしとも言えません。当院では、検査は受けていただくことにしています。

具体的にはレントゲンと心臓超音波検査です。

レントゲン撮影
心エコー

レントゲンで心臓の位置と大きさを確認し、超音波検査で雑音の原因になるような異常がないか確認します。結果はその日のうちにわかりますので、担当の医師からご家族に丁寧に説明をしています。
もし、心臓に異常が見つかった場合でも治療が必要ないことも少なくありません。

乳幼児健診や園・学校の健診、またはかかりつけの先生から心雑音を指摘されて検査を勧められた方は近畿大学病院小児科を受診してください。

また、このブログを読んだ感想などがあれば、コメントをいただければ「すくナビ」を続けていく上でとても参考になるので、どうぞよろしくお願いします。


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