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東野圭吾さん おめでとうございます

11月2日に秋の褒章受章者の発表がありました。
学問や芸術・文化などの功績者に贈られる紫綬褒章に、東野圭吾さんが選ばれました。

2023年現在、作品数は100を超え、国内累計発行部数は1億部を突破!!中国などの海外でも人気です。
ミステリー作品好きの私も、たくさんの本を読ませてもらいました。
すべての作品を読んだわけではありませんが、東野圭吾さんの作品にはたくさんの魅力が詰まっていることを実感しています。

受賞時のコメントに次のようなことを述べています。

コメント(抜粋)
「ひたすら娯楽性を求めて書き続けてきました。
 頭の中にあるのは、読者を楽しませるものを書く、もっと読みたいと思ってもらえる作家を目指す、ということだけです。その感覚は山登りに近く、とにかく地道に前に進んでいけば、いずれは頂点に辿り着けるはずだと信じています。この度の受賞は、これまでにおまえが辿って来たきた道は間違っていない、という励ましと受け取らせていただきます。今後も精進し、頂点を目指し続けたいと思います」

100を超える作品を書いているのに、「東野さん(の作品)にははずれがない」とよく聞きますし、そう思います。
ミステリー作品の中でも、毎回、違ったトリック、驚きの展開、大どんでん返しなど、豊富なしかけで読んでいる人をあっと言わせたり、そうか~という「あは体験」を準備したり。

文学性は追わず、ただひたすら娯楽性を求めて書き続けてきました。
自分が作家として生き残っていくには、そこにしか活路はないとわかっていたからです
」としていますが、鋭く深い人物描写や現代社会の問題を反映させた作品も数多く書いていて、読者を楽しませるために、たくさんの挑戦をされています。


1985年に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞しデビューされ、その後、「卒業」「学生街の殺人」など、学園ものを多く書いていましたが、「娯楽性を追究した」と言う通り、本格推理、サスペンス、パロディなど、時を経て作風もかわっています。


「人魚が眠る家」では、脳死、移植、「天空の蜂」では、原子力発電所、「片思い」では、性同一性障害、「分身」では、クローンなど、科学や現代社会の問題を扱った作品も多く書いています。


また、福山雅治さんが演じる天才物理学者の湯川学が登場する「ガリレオ」や阿部寛さんが主演してテレビドラマや映画にもなっている「加賀恭一郎」、さらに木村拓哉さんや長澤まさみさん主演で映画が話題にもなった「マスカレード~」など、たくさんのシリーズ作品も世に送り出しています。

中には、「どちらが彼女を殺した」「私が彼を殺した」という、何と本編の中では最後まで犯人を明かさず終わる(警察の捜査状況や証拠などは提示されていきますが)という読者への挑戦ともとれる作品を書いてもいます。最後に探偵や刑事がトリックを見破り、真犯人を見つけ、ちゃんと事件の全容を解明する筋書きとは違っていたので、それこそ、必死になって、本文のあちこちを読んで、メモして、実際に、自分で事件を解決しようとしました~。

他にも、「雪煙チェイス」「疾風ロンド」などのスキーシリーズや「秘密」「時生」「ナミヤ雑貨店の奇跡」「クスノキの番人」などのようなファンタジー系な作品も多く書いています。ただ、ファンタジーではあっても、人を探したり、家族の秘密を解き明かしたりなど、殺人事件とは違う「なぞ解き」要素はふんだんに入っていて、「娯楽性の追求」というのは、本当だなあと、と思う作品ばかりです。
 
 現在65歳。作家生活38年。
 今後の東野圭吾さんの活躍から目が離せません。

皆様の心にのこる一言・学びがあれば幸いです。

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