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磁石になりたい

私は散歩をするのが好きです。
街行く傍らに、お店を見つけては指さし、
「あれは、なんてお店だろう」
とか疑問を抱きながらテクテクしています。

この疑問は決して自分では調べずに、友人と話しているときに話題に挙がれば、
「気になっていたお店だ」
と相槌を打つのです。
とはいえ、そのお店のことは何も知らないのですが……。

ネガティブ・ケイパビリティという言葉を最近知りました。
私の疑問を疑問のまま残しておくのは1種の能力らしいですね。
大切にしていきましょう。

と思っていたのですが、最近お仕事では、
「わからないことはすぐ調べて」
とご指摘戴くので、どうしたものかと考えています。
私の中でポジティブとネガティブとが衝突して、絶滅の危機に瀕しています。

なんとかならないかしらと考えていますと、電気と磁石を思いつきました。
電気はプラスとマイナスの電荷が衝突すると消えてしまいます。
一方、磁石はN極とS極が合わさっても消えることはありません。
むしろN極があるところにS極も存在します。
私も磁石になればポジティブとネガティブを双方持つことができるのでしょう。
私は磁石になりたいです。

この多様性の社会、求められているのは相反する2つの性質を持つ磁石のような人間なのかもしれません。
5年前には潤滑油だった私も、今は磁石になることが求められているのでしょう。

よい磁石を~。

……。
……。
……。
ところでどうして磁石はN極とS極を併せ持つのでしょうか。
電気のようにどちらかだけの性質を持っていてもいい気もしますが。
でも、私は調べません。
だって私にはネガティブ・ケイパビリティがありますから。

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