しゃかいじんってたいへんだ

昔っからポヤポヤしてた。
天然と言われることも多かった。
自由と暇を最大限に謳歌する大衆的大学生の頃、それに一抹の不安を覚えていた。

チャーミングポイントのようにいわれてるけど、社会にでたらそれじゃすまないんじゃないの…？？

その不安は見事当たった。

限られたキャパシティで互いのシナジーを高めあいコンセンサスをとってノルマにコミットするビジネス界。したたかな者が勝つ弱肉強食のフィールド。天然物の生存率は極めて低い。

新卒で入社した会社の決め手は、今年上場したらしいし、安定してそうじゃん？と思ったから。上場の意味も良く知らないが、言葉の響きに輝きが、未来が、あった。

そして、スタートしたコールセンターのアルバイトスタッフ管理の仕事を2年で退職した。

だって、自分なりに頑張っていても仕事も人間関係も空回り。目が死んだ魚の先輩たち、やる意味が見いだせないのに仕事量だけはあって、帰れずオフィス近くのビジネスホテルに泊まることもあった。ひたすらハンコを押し続ける22時近く、気晴らしに鼻歌を歌いながら仕事をしたら、ひどく怒られてしまった。

安定とは程遠かった。なんか、思ってたんと違う、だった。ポヤポヤに包まれていた本能が逃げろと警告していた。