ベーシックインカムに未来は無い。雑記。
のっけから私事で恐縮ではあるが、最近自分が大らかさで魅力を感じていた人がベーシックインカム(※以降表記BI)を褒めそやしていて落胆してしまった。
なんでも貧困とか過剰な労働に対する良策なんだとか。こういった善意のBI推しは多々見られるのだが、実態はいくらづつ支給すべきかとか社会保障を残す残さない論争とは一線を画している。
そもそも所得格差や経済格差をリセットの1つも無いままに平等な金銭給付など狂気の沙汰であろう。所得格差は投資や消費行動にモロに影響をそれはもう強大に与える要因であるにも関わらず、配られる額が平等だとすると所得の1番低い層から順にインフレの波に呑まれて恩恵どころか借財を強いられる事にもなりかねない。
税で回収すれば良いという発想も同様にかなり破滅的で、配られるお金の価値は配布と回収を繰り返す毎に目減りするだろう。何故なら先述の通り、お金を得た人間は当然使うからである。配布されたお金の使徒が自由であるなら、富裕層は金融商品や更なる投資etc、中間層は投資や事業創設etc、貧困層は借財の返済や不足した必需品の購入etcへそれぞれ走る事になる。
この場合、生産者は溢れかえった需要に対して供給を増やそうにも物理的制約に依ってこれを供給することはできない。さすれば必然的に希少価値の性質を帯びた商品が値上がりするのは言うまでもなく、生産者側は今後増税で引き締めを食らうと知りながら融資を受けてまで生産能力を上げるべく土地や設備を買い込もうとは考えないはずだ。
供給能力はそのままでも、富裕層及び中間層が金融商品を売り買いすれば愈々通貨価値は乱高下を免れず、従って増税と配布の時期は終末予言のように目処が立たず、救済されるはずだった貧困層は臓器を売るタイミングさえ失う。
BIは社会実験と称されて一部地域の数名で実験されているニュースなどを目にするが、通貨価値はその数名やその一部地域が支えている訳ではない。現状が苦しいのは理解できるが、それならばなおのことBI肯定•推奨などしない方が良い。始めに割りを食うのは今苦しい人々だから。
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