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エロゲ制作日記0本目(前史)

エロゲを愛する人であれば、一度は「自分でエロゲを作りたい!」と思ったことがあるでしょう。私も大学生になってから、そのことばかり考えていました。

熊野寮には、革命的共産主義者同盟中核派という極左集団のメンバーが出入りしており、何人かの寮生がメンバーになっています。私が一年ほど中核派にいた話は別の機会にするとして、同じ頃に中核派になった先輩がいました。

私は、「その先輩を攻略する乙女ゲー(活動家攻略ゲー?)を作って、CD-ROMに焼いて1000円(税込み)ぐらいでイベントで売ろう」という野望を抱いていました。

しかし、大学生になったばかりの僕はPCについて全くの無知でした。どれくらい無知だったかというと、ファイルを解凍しろと書いてあると、「いや、俺のHDDは凍ってないが?」とツッコミかボケかわからない反応をしてしまうくらいです。

Steamでは18禁のゲームが販売されていますが、おそらく性的な表現に規制がかかるのでしょう。『AI少女』という3Dエロゲは、DL版を購入した後、公式ホームページから「Extasy(恍惚)」パッチをダウンロードしてようやくエッチな描写を楽しめるという複雑な販売方式が取られていました。

ファイルを"解凍"しろという指示に当惑した僕は、同部屋の先輩から手取り足取りサポートを受けてパッチを導入しました。

こんな体たらくですから、ノベルゲーム開発ソフト「吉里吉里」を使おうとして挫折するのは当然の結末でした。


時が経ち、僕は中核派を脱退しました。理由は大きく分けて二つあります。

一つ目は、K-POPという「ポルノ」に世界中の人々が、「かっこいい」や「オシャレ」といったラベルを貼り、喜んで性的消費を行っている現状に絶望したからです。「労働力の搾取や性的搾取の問題をどれだけ訴えても、資本主義によって得られる快楽に人間が抗えるわけがない!」。
そして僕はTWICEの曲を次々に聞くようになり、今やブルアカのエロ絵師を300人ぐらいフォローする怪物へと変貌を遂げました。

二つ目の理由は、『WHITE ALBUM2』というエロゲを最後までプレイできなかった自分自身に絶望したからです。この話もいずれ別の機会にします。

絶望に打ちひしがれ、鬱病みたいになりかけていた僕を、知人の中国人留学生が救ってくれました。彼は鬱病患者であり、薬物中毒者の疑惑があり、おまけに寮の先輩が40万で購入した車(知らなかった)を20万円で購入し(知らなかった)、2年間たっぷり使いつぶした挙句(知らなかった)、僕に20万円で売りつけてきた人間です。このことを後で知った僕は転売ヤーを憎む人たちの気持ちを初めて理解します。

そんな彼が僕にこう言いました。「君の思考は完全に堂々巡りになっている。自身の理想について誠実に考えることは素晴らしいことだが、その理想は今の君には叶えられないと結論がでたじゃないか。ならば次にやるべきことは、理想について考えることではなく、理想を叶えられる人間になるための努力、もしくはその理想の放棄、どちらかしかないのでは?」と。

一度どん底に沈んだ人間は強い力が宿るのだと痛感しました。うじうじ悩んでいる暇はないと気づかされた僕は、すぐさま次の人生の目標を設定しました。「そうだ、内閣総理大臣を目指そう!」

すっかり僕は錯乱していたのです。

これが僕のエロゲ制作前史です。
つまり
僕は内閣総理大臣になるためにyoutuberとエロゲ制作を開始したのです。   (おわり)

今後の記事のネタ
・処女厨について
・主人公の格について
・作曲について
・音響機材について
・面白いエロゲについて
・エロゲをやり始めた時の話

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