『LINEギフトの強制性に立ち向かう』
20240505
贈り物の大きさには注意しなければならない。
そのプレゼントが相手にとって荷物にならない程度の丁度よい大きさのものを選ぶべきだ。
その点、LINEギフトというものは、スマホで送り合うことができる電子版の商品券のようなものだからとても手軽だ。
しかし、僕はそれを使いこなせる自信がない。
僕のバイト先の店長はとてもやさしくて、ことあるごとに何かをおごってくれたり、プレゼントしてくれるのだが、そのうちの一つがLINEギフトだ。
僕が誕生日を迎えた時やほかの店舗にヘルプで行ったりしたときなど、必ずと言っていいほどLINEギフトをくれる。
その内容は、スタバで使える700円分の券。
僕は今までの人生でほぼスタバに行ったことがない。行くのが怖い。ケバブ屋とスタバだけは行くべきタイミングがよくわからない。
これを店長に言い出せないばかりに、スタバのLINEギフトが貯まってきてしまっている。
おそらく、店長は僕を若者として捉えてくれていて、若者はよくスタバに行くから、LINEギフトもスタバのものにすれば喜んでもらえると思っているのだと推測する。
実際、僕もスタバのLINEギフトを「え、いいんですか、ありがとうございます!」と嬉しそうに貰ってしまっているため、今さら店長に「実は僕、あんまりスタバ行かないんですよ、だからLINEギフトもできれば、スタバ以外の、、、」とは言えない。
それならなぜもっと早く言わなかったのか、スタバはうまいから行った方がいい、それなら今度一緒に行こう、と迫られたらどうしよう。
LINEギフトはそれを使えるお店が決まっていて、かつ有効期限があるため、期限内に絶対にそれを使わなければ店長の気持ちという名のポケットマネーが無駄になってしまう。
LINEギフトというこの半強制的な贈り物に僕は立ち向かう必要があるのだ。
方法は簡単だ。スタバに行くことを目的に外出すればいいだけだ。
しかし、お店に着いてからのイメージトレーニングを怠ると、ひどい目に遭う可能性がある。
注文の仕方がどうやら難しいらしいということと、飲み物のサイズがS,M,Lではないという情報は入ってきている。これらを頭にいれつつ、とにかくスムーズに後ろに並ぶ人を不快にさせないよう700円くらいのドリンクを注文できれば、ほぼミッションはクリアだ。あとはお会計で、まるで初めてではないかのような仕草と言葉遣いで、LINEギフトで素早く支払いを済ませ、700円を超えた分の金額に備えて予め小銭も用意しておく。
今、これを書き終え、あと20日ほどで使えなくなるLINEギフトと信用できる大学の後輩を連れて吉祥寺のスタバに行こうとしている。
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