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好きな歌詞3選

歌詞はあまり読まないけど

普段音楽を聴くとき、歌詞はあまり気にしてません。
しかし、問答無用でこちらの脳にこびりついてしまった困ったちゃんがいます。
3つ紹介します。

①「OBLAAT」-hide

雨の日 傘ささなきゃ ズブ濡れになるだろ
その程度さ 笑うだけさ

座右の銘と言えるくらい自分と親和性の高い言葉です。
「気付かされた」ではなく「それな」です。
濡れて帰ってきたらシャワー浴びて服は洗濯すりゃよいのです。

②「球根」-THE YELLOW MONKEY

永遠の中に 生命のスタッカート

「球根」と「BURN」は魂の感触が伝わってくる曲で、イエモンの中でも特に好きです。

「スタッカート」は心臓の鼓動を指していると思われます。
しかし「永遠の中に」と言われると、命がながいながい宇宙の静寂に生まれた一瞬であると強く意識させられます。
スタッカートは「無」であるはずなのに、変ですよね。
簡潔に効果的に、こちらの想像力を刺激する優れた歌詞だと思います。

③「Lhasa」-La'cryma Christi

誰でも生まれたり朽ちる時は
一人きりの砂漠を歩く

だけど 君の細い指紋のなか 世界中の貝殻
僕の声と混ざり 広い空へ浮かぶよ

こちらは死別についての曲です。
大切な人の死という悲しい出来事への感傷にひたっているこちらに「お前も死ぬんやで」と突きつけるような、ある意味究極のスケール感を持った曲です。

前半2行は自分の人生観と深くリンクします。
中二みたいなこと言いますが、僕の傍にはいつも不安や恐怖がありました。
そして、それらは決して他人とは共有できないものだと知り深い孤独を感じていました。
そんな中「人間は良くも悪くも独立した個体の群れである」ということを歌詞として受け取ることで「こういう気持ち抱えてるのって自分だけじゃないんだ」という若干の安心感を覚えました。

後半2行はイメージ映像をそのまま言葉に起こしたような幻想的な歌詞です。
指紋と貝殻(の縞模様。たぶん。)を重ね合わせるセンスはとてもユニークだと思います。
この一節の前は「風もないのに 足跡 揺れて消されてゆく」です。
「君」の痕跡がなくなる一方で、指紋という個人を識別するものの中に世界中の貝殻がある=個と全がひとつになっていくイメージがわきます。
そこに自分の声も混ざっていく。
よくある言い方にすれば「死んでしまったけど心には残っているよ」のような考え方じゃないかなと推察します。
「球根」と同じく、これをたった2行でこちらにイメージさせる言葉選びと並べ方に美しさを感じます。

結局のところ、創作物は鑑賞する側には知りえない情報が含まれています。
それどころか、作者さえ言語化できない領域もあるはずです。
しかし、類稀なセンスをもって考え抜いて作られた創作物はこちらの想像力を刺激するような大きな力を持っています。
多感な時期にこういったものに触れてきたことはかけがえのない財産なのかもしれないと、振り返って思います。