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ふたたび

あなたは俳句は好きであろうか。

十七音、季語をひとつ入れるという2つのルールで成り立つ俳句を、私は大人になってから好きになった。
数年前までは、俳句を毎日作っていたものだった。

俳句が好きになったきっかけは2つある。
ひとつは、プレバトの俳句コーナーを観ていて、夏井いつき先生の添削にとても興味を持ったことだ。
ダメ出しをした俳句でも、夏井先生が添削すればパッとしなかった句が一気に鮮やかになるのがすごいのだ。十七音しかない中で、いかに表現したいことを言葉にするかをプロが直々に解説を加えながらいい句へ変化していくのが面白かった。

もうひとつは、夏井いつき先生の、俳句初心者に向けた俳句の作り方の本を読んだことだ。
プレバトで俳句の面白さを知った私は

「自分も作りたい!」

と思ったが、まずどうすればプレバトの方々のように着実にいい句が作れていくのかわからなくて二の足を踏んでいた。
そんな時に、図書館に俳句の棚があり、夏井先生のハウツー本を何冊か見つけて読んだ。本当にすぐ始められるように指南されていて、私も無事俳句作りをスタートすることができた。

この本で私は俳句の世界に入った。
センス0でも作れると言い切れるところがいい。実際、本当にそうだった。

そして次に、この本を読んだ。
上の本で俳人として歩み出した私は、普段から俳句を作っていきたいと思った。どうしたらそのヒントがあるのか、ネタを探すにはどうしたらいいのか。
それは、特別な経験が必要なのではなくて、身の回りの生活風景の中の出来事でいいのだと、教えてもらったのがこの本だ。

出不精な私なので、わざわざ出かけなくても自分の生活で目に入るものが素敵な俳句のネタになるのだということがわかって、

「俳句って私にもできるんだ…!」

と嬉しくなったものだった。

夏井先生の書く文章はサクサク読めてわかりやすい文章だったので、もっと夏井先生の本が読みたいと思ってこちらも読んだ。
初心者で、もっと俳句が上手くなりたい人にオススメな本だと思う。

俳句を作っていると、私は誰かに見せたくなってきた。

夏井先生の本で『句会』を知った。句会とは、自作の俳句を持ち寄ってお互いに意見を交換し合う場のことだ。
私は近くの句会を調べてみた。なるべく、年代が近かったり、初心者を快く受け入れてくれる句会を探した。すると、都会で第何何曜日と決まって行われているものがあることがわかった。
しかし、いくら都会にアニメイトがあるとはいえ、出不精にとっては人が多過ぎる場所はツラいし、そもそも家から遠い場所だった。
句会は断念した。

ではこの誰かに見せたい気持ちはどうしたらいい?
誰かに自分の俳句を見てもらいたい。見て、何か感想だったり、あわよくばどうしたらもっとよくなるのか教えてくれはしないだろうか。

もうひとつ本で紹介されていたのが、ネット上での俳句投稿サイトだ。私は中でも、『俳句ポスト365』がいいのではないかと思った。
『俳句ポスト365』は愛媛県松山市が運営している俳句投稿サイトで、おそらくネットで投稿できる俳句サイトとしては一番しっかりしている。また、何と、選者に夏井先生がいらっしゃるのだ!

今回始めるにあたってサイトを開くとビックリした。以前はスマホで開いてもパソコン画面の仕様でしか表示されなかったのが、見やすく・打ちやすいスマホ専用サイトができていたのだ。

そう、数年やめていた俳句を、この頃また作ってみようという気持ちになったのだ。

前に俳句に取り組んでいたのは独身の頃だった。やがてコロナ禍での結婚を経て、依然コロナ禍の中での生活、仕事、遠方で予定した式の準備に心の余裕がなかったのか、俳句の習慣がなくなってしまったのだ。

しかし、私が俳句から離れてしまっても、私の周りから俳句は離れていなかった。

俳句が好きだと知った義父は、毎月、俳句と短歌が載っている新聞の切り抜きを送ってくださっていた。
プレバトの俳句コーナーの人気は変わらず、放送を私も観続けてきた。
短歌を作る大学院の先輩との交流があった。
職場では秋になると俳句コンテストが行われていた。

育児の大変な時が過ぎたのか、こうしてnoteをするエネルギーもつき、俳句も……となったのかもしれない。

話を戻すと、懐かしの『俳句ポスト365』のサイトはリニューアルしていて俄然心が踊った。
日本のあらゆる所から俳句を送っている人がたくさんいるのだ!

『俳句ポスト365』では月1くらいの頻度でお題が示される。今月19日まで募集しているお題は【夜長】だった。
長い時間をかけずにネタは思い浮かんだ。

投稿する際には、ペンネームならぬ俳号が必要であった。私は、自分の数年前の俳号をド忘れしてしまっていた。
自分が使っていそうな漢字を過去の投稿作品から検索した。すると、自分が【山乃火穂(ヤマノカホ)】として作品を送り続けていたことが分かった。

今回から、元の俳号を使うか、新しいのを使うか……。
夏井先生の本にも書いてあったが、俳号は何度変えたっていいのだ。昔の俳人もよくそうしていたそうだ。

数年前の私とは、立場や環境が変わった。noteを始めて持った名前もある。さらに、『俳句ポスト365』ではなるべく名字があることが望ましいとされていた。
迷いはなく、ここでの名前【弥栄弐庫(ヤサカニコ)】を使うことにした。

久しぶりに作った俳句は、ブランクがあるのと、卑下ではなく俳句が上手いわけでもないので初心者フォームから投稿した。
復活してしまった

結果発表は締め切りののち約1ヶ月だ。1ヶ月後、サイトに自分の俳句が載るかもしれないと考えるだけでもワクワクする。

ただ、俳句をまた続けるなら、noteと同じように根をつめない、これは守っていこうと思う。
以前にきっとパタリとやめてしまったのは、

『毎日必ず1句作る』

をやってきて、ダメな日があったのだと思う。
今回は、毎日は止して『俳句ポスト365』に合わせてゆっくりじっくりやっていきたい。

俳句については今後noteにも綴っていきたい。

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