人生初のローフード料理教室は、人生の味。
皆さんは、ロー(RAW=生の)フードという料理方法を知っているだろうか?
疲れにくくなったり、痩せたり、朝目覚めがやくなったり、心が安定したりという変化が起きるらしい。良いことだらけなんだそう。
今日は、知り合いの結子さん(仮名)からお誘いを受けて、このローフードのお料理教室に参加してきた。
結子さんは、私の母くらいの年齢で、ご夫婦で農家民泊を営んでいる。私たち家族も結子さんが主催する「田んぼ体験」に何度か参加したことがあった。
いつも冗談ばかり言って、ガハハと豪快に笑う結子さんのことが私は大好きだ。
机の上には、珍しい野菜がズラリと並んでいた。宮崎から講師の先生が来てくださり、宮崎のフルーツのへべすや宮崎では今が旬のズッキーニがズラリと並んでいる。
自然に囲まれている結子さんの家のまわりで採れた野草も生き生きと並んでいた。並んでいるだけで美しかった。
さぁ調理するぞ!と張り切っていたが、ローフードは、加熱をしない料理だ。下準備が済んだ野菜たちを混ぜたり、ミキサーにかけたりするだけであっという間に料理が完成した。
緑が圧倒的に多い。
参加者の方が「馬になりそう……」と呟いた。
加熱もせず、味付けもめちゃくちゃシンプルだった。果たして、味はどうなのか?
私は恐る恐る料理を口に運ぶ。
「え、美味しい!!!」
正直驚いた。驚くほど美味しかった。
「カシューとフェンネルサラダ」
「野草のジェノベーゼのズッキーニスパゲティ」
「切り干し大根ときゅうりのサブジ」
どれも馴染みのない名前の料理だったけど、塩気が効いていて、ジェノベーゼの中に入っているナッツのコクもあり、本当に美味しかった。
心も身体も満腹になったあとは、
「あれ?そういえば自己紹介してなかったね」
と、みんなで笑って、自己紹介タイムが始まった。
参加者は、結子さんを入れて7人。
そのうちの3人は、なんと結子さんの中学生時代からの同級生だった。
結子さんの同級生の方の中には、もうお孫さんが5人もいる方もいた。
一人一人自己紹介にまりこさんとの思い出やこれまでどう生きてきたか、いろんな話を混ぜ込みながら話をした。
「結子さんは、中学生の時から明るくてこのまんまのキャラクターだったんよ。自己紹介したときに、私、こんな人いるんだって衝撃受けて自分から話しかけたの覚えてる」
そう話した方もいた。結子さんの人柄が中学生から変わっていないことに驚くと同時に嬉しくなる。また別の方は、
「私の息子が成人してから仕事で病んで家に引きこもってしまってね。そのときに結子さんに話を聞いてもらったのよ。あの時は本当に気持ちが落ち込んでた。息子が復帰するまで8年くらいかかったんだけど、その間ずっと支えてくれた彼女がいてね。その子と結婚して今は2人子どもも生まれて幸せに暮らしてるの」
その話を聞きながら、涙する同級生もいた。8年間も支え続けた彼女さんも、お母さんも、すごい。そして、結子さんもきっとずっと見守っていたんだろうなぁと思った。
お料理教室に行って、お料理をたらふく食べて、最後はそれぞれの人生の味を少しだけお裾分けしてもらった。
最後用事があってバタバタと帰る私に、結子さんは「ハグしよ」と言って、ギュッと抱きしめてくれた。胸がいっぱいになった。
私のまわりには優しい人がたくさんいる。
そのことにまた気づいて
また幸せを噛みしめて帰路についた。
明日からもまた、焦らず自分らしく生きていきたいなぁと思う。
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